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高齢者住宅・障がい者住宅
2023.06.22

障がい者GH入居者を職員雇用行政の見解はいかに!?/コロナ禍でも急増の「老衰死」「自宅化」した施設が背を推す

障がい者GH入居者を職員雇用行政の見解はいかに!?


※出典:高齢者住宅新聞より

 精神障がい者向けの共同生活援助で今年4月22日より、入居者の1人が施設のスタッフとして雇用され、給料を得るという取り組みがスタートした。「将来的には『働ける障がい者グループホーム』として差別化を図りたい」と運営するヘルプズ・アンド・カンパニー(大阪市)の西村栄一社長はコメントする。

職安の求人に入居者が応募

この施設は大阪市にある「シェアハウスりぼん」。開設は2021年11月。居室数は5。現在精神障がいを持つ4名が入居している。スタッフとして雇用されたのは、40代後半の男性入居者Sさん。障がい区分は1で、4名の入居者の中で最も軽い。日中は障がい者雇用枠で一般企業で働いている。

「りぼん」のスタッフとしての勤務は帰宅してから1~2時間程度。週に8時間を超えない範囲で調整している。主な仕事内容は夕食の買い物、配膳及びほかの入居者の話し相手。給料は時給1100円で、ほかのスタッフと同じ。施設側でハローワークに正式な求人を出し、それにSさんが応募する形を取り、非常勤職員として雇用契約を結んでいる。

長時間労働を回避する配慮

ここで気になるのが「利用者として給付の対象になっている人が就労することが可能なのか」という点。今回、行政はどのように対応をしたのだろうか。

〇ほかの利用者との公平性の確保。

〇労働基準関連法規の遵守。特に、日中の仕事とスタッフとしての仕事の時間を合計して、長時間労働にならないようにすること。

〇GHとしてのサービス提供時間内の就業は禁止。つまり「利用者である時間」と「スタッフである時間」を明確に区分し、両者が重ならないようにすること。

行政は当初難色を示しましたが、最終的にはOKと認められました。入居者を職員として雇用することは、自社のスタッフ不足を解決するだけでなく、利用者の自立生活向上にもつながります。

今回大阪府大阪市が認めた事案ですが、今後他の地域の行政でも認められていく可能性は十分あります。スタッフ不足や利用者自立度向上の新たな一手として注目が集まります。

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コロナ禍でも急増の「老衰死「自宅化」した施設が背を推す


※出典:高齢者住宅新聞より

 今回は「老衰死」とそれに対する介護業界の流れを解説致します。

 時代の流れは老衰死(自然死)に向かいつつある。2007年を底に老衰死は近年急増中だ。2000年には2万1209人で全死因の2.2%で第7位だった。それが、2015年には第5位に、2019年には第3位へと上昇。2022年は10月までに14万4737人となお増え続けている。

 注目すべきはコロナ禍での増勢である。第4波、第5波に見舞われた2021年は全死者が143万9809人で前年より6万7101人増えた。この中で、死因別で前年より最も増えたのが老衰であった。1万9584人増だ。死亡場所に目を凝らすと、施設での老衰死の急増も見逃せない。2021年に亡くなった145万人のうち、高齢者施設での死亡者は13.5%なのに、老衰死に限ると高齢者施設での死亡者は7万2579人で47.7%に達している。

 高齢者施設での老衰死は2007年には6976人だったから、この14年の間に10倍にも増えた。比率では22.7%から47.7%へと2倍以上だ。コロナ禍で入院を避ける動きが反映されているが、この趨勢はコロナ禍以前からである。施設での個室化が広がり、「第2の自宅」と受け止められてきた。「病院第一」から「在宅重視・自然死志向」への意識転換が起こり、「在宅」の延長として「施設入居」が選ばれた。

 そして、なんといっても本人や家族が老衰死を歓迎し始めたことが決定的な要因だろう。管につながれた延命治療より、「生き切っての大往生」を選び出した。普通の国民の死生観が医療者の思惑を超えつつある。

 安心して老衰死を受け入れることができる高齢者施設が今後ニーズとして高まってくるだろう。

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