ベランダ（バルコニー）なしの家があるって、本当？

意外かもしれませんが、注文住宅でもベランダ（バルコニー）なしの間取りがあります。ベランダありが普通だと考えていた方は驚くかもしれません。なぜ、ベランダ（バルコニー）が不要になるのでしょうか。

区別がつかないという方も案外多い、ベランダ・バルコニー・テラスについて、まず説明していきます。

ベランダ…ある程度の雨風をしのげる、屋根や庇付きの張り出しスペース

バルコニー…2階以上にあるもので、屋根なしの張り出しスペース

テラス…床と同じ高さの庭や街路に向けて建物から張り出した部分で、リビングやダイニングから続くように設けられたスペース

ベランダ（バルコニー）は一般的に、洗濯物や布団を干したり、エアコン室外機の置き場所になることが多いです。その他、植物を育てたり、広さがあれば、バーベキューをしたり、ビニールプールを広げて遊んだりなど、かなり用途は広がり、いざという時には、避難場所や避難経路になることもあるでしょう。

1. 虫、花粉、PM2.5、黄砂などの心配がない
洗濯物や布団に害となるものがつきません。ベランダ（バルコニー）からの出入りもなくなるので、気になる健康被害の症状も出にくくなる可能性があります。

2. イニシャルコストとランニングコストが不要
新築時にかかるベランダ（バルコニー）の建築費用と、建ててからのメンテナンス費用がカットされることになります。

3. 掃除の手間が不要
排水口の詰まりなどを気にする必要がなくなり、掃除の手間が省けます。

4. 防犯面で安心
ベランダ（バルコニー）から侵入されるケースが多いため、防犯面上の心配がなくなります。

5. 室内のレイアウトが自由
ベランダ（バルコニー）に出る掃き出し窓がなくなれば、間取りの自由度が増します。

6. 太陽光による照り返しがなくなる
ベランダ（バルコニー）の床からの照り返しによる、部屋の温度の急上昇を抑えられます。

7. 避難場所や避難経路になる
災害時など何かあった時に即、助けを求めたり、避難できるスペースとなり得ます。

1. 洗濯物や布団が干せない
ランドリー乾燥機などで洗濯物や布団を乾燥させたとしても、天日干しのパワーには敵わないこともあります。布団干しを庭にする場合、運ぶ労力も大変です。

2. 趣味の利用ができない
ガーデニングや、一時的に不用な物を置いておくスペースもなくなります。

3. 避難場所や避難経路がない
災害時などに避難場所になったり、逃げ場所とすることができなくなります。

4. エアコン室外機の置き場所がない
室外機設置には、他にも『室外機を吊り下げる、屋根の上に置く、長い配管を2階から1階の庭まで垂らして置く』などの方法はありますが、設置や取り替え、メンテナンス時の費用は高くなります。

5. 外観デザインに変化がない
戸建てでは、外観のデザインも一つの価値になります。ベランダ（バルコニー）がないとのっぺりした印象になりやすくなります。

6. 1階に日除けや雨除けがなくなる
太陽光、雨風が直接当たるため、室内外の日焼け、窓の汚れが気になるかもしれません。

ベランダ（バルコニー）なしの家を希望しても後で後悔することのないよう、どんなライフスタイルなら大丈夫そうなのかを見ていきます。

1. ベランダ（バルコニー）に洗濯物や布団を干さない
虫、花粉、PM2.5、黄砂などに対するアレルギーや健康被害がある昨今、洗濯物や布団は外に干さないという方も増えています。

2. 広いスペースの庭が取れる敷地がある
庭があれば、洗濯物や布団干し、ガーデニングなど、ベランダ（バルコニー）でできることは何でもできるため、不自由は感じないかもしれません。

3. 狭小地や住宅密集地で採光や通風が望めない
立地条件によっては、無理やりベランダ（バルコニー）をつくっても無駄になるケースがあります。

4. 掃除を含め、メンテナンスが面倒
ベランダ（バルコニー）があることで面倒が増えると感じている方には、元々不要以外の選択はないかもしれません。

ベランダ（バルコニー）も間取りの一つです。ライフスタイルや敷地の事情によって、選択は左右されます。正解はありませんので、周りに流されることなく、設計士ともよく相談をしながら、慎重に検討したいものです。

住まいづくりのコラム