住まいづくりのコラム

障がい福祉サービスの報酬改定の大筋が発表！改定の内容と今後の対策

※出典：厚生労働省より

　2024年4月1日の改定に向け、大枠である「障害者総合支援法」の改正案が国会で可決され大筋が固まった。
今回は改正の大まかな要点と改正後の対策についてお伝えさせていただきます。

＜障がい者グループホーム（GH）＞
　1人暮らし用のグループホームの創設が噂されていたが、新しい類型の障がい者グループホームのサービス創設は見送りに。GHの定義要件として、一人暮らし（卒業）に向けた支援が追加された。

　また、日中サービス支援型グループホームについては、強度行動障がいへの対応が不十分という懸念が出ており、今後加算とは別に報酬や人員配置の見直しが起こると想定される。また、日中サービス支援型グループホームの質の低下も懸念されているため、今後自立支援協議会でGH未経験事業者の排除／1エリア1事業者1施設などの変更が行われる可能性もある。

＜就労支援＞
　就労選択支援が創設。今まで以上に適性に合った就労サービスの利用を目指している。就労専門の相談支援事業所のような役割の認識。

　今回、新しいGHの類型の追加は見送りになるものの、定義の変更やサービスの質ごとの報酬体系や人員配置が細かく見直されそうである。介護業界の「地域包括ケアシステム」をベンチマークとして、今後障がい福祉サービスの分野でも、サービスの細分化・地域権限移譲が進んでいくだろう。

　今後、障がい福祉サービスを運営事業を展開している方におすすめしたいのは2つの動きだ。1つは、GHをやりたいと思いながらも、数年後～をイメージしていた方は、できるだけ早くGHの開設に向けて動くべきだ。理由は、今後日中サービス支援型GHはGHの経験がある事業者しか開設できなくなる可能性があるからだ。2つ目は、GHの経験のある方は、日中サービス支援型GHの開設に向けて動くべきだ。今後人員配置が厳しくなったり、加算が見直しされたりする可能性があるからだ。ご相談は是非弊社まで。

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増加する施設内虐待事故の原因と対策 自社で行う安全な介護

　近日、高齢者施設の虐待事件が多数報道されています。この要因としては、「家族面会が減り施設内に外部の目が届かなくなったこと」「職員のストレスによる不適切ケアの増加」などが挙げられています。しかし、根本的な原因は施設職員による虐待事故が起こることを前提に、日常的な「虐待事故防止活動」が行われていないことにあります。今回は事故を未然に防ぐ対策の情報をお伝えさせていただきます。

 ■虐待の原因と防止対策
　まずは感情のコントロールができなくなって起こる虐待の対策を考えてみましょう。従来このような虐待事故は、職員個人の要因で発生すると考えられてきましたが、それだけではありません。もちろん、認知症利用者の対応スキルやメンタルケアも重要ですが、虐待につながるトラブル発生の原因を分析することが必要です。原因分析は事故と同様に、次のように「利用者の原因」「介護職の原因」「環境の要因」の3つの観点で分析できます。

利用者の原因:BPSDを悪化させる向精神薬や体調不良や生活環境。介護職の原因:体調などコンディションの悪さや認知症利用者への対応。スキル環境の原因:夜勤帯ユニットに1人の職員配置で他職員の応援が頼めない。

　このように、トラブル場面の発生原因を挙げて改善に取り組むことで、具体的な防止対策につながっていくのです。例えば、リスペリドンなどの向精神病薬の処方を漢方に切り替えることでBPSDがなくなれば、虐待を引き起こす場面を減らすことができます。介護職員が最も理性を失いやすいBPSDは、「同じ言葉や行動を繰り返すこと(常道行動)」です。このような場面では他の職員と協力して対応することにします。

　また、夜勤で体調不良であればあらかじめほかの職員に伝えておき、いざという時サポートしてもらうことも申し合わせます。職員が個々に頑張るのではなく、みんなで協力して虐待を防ぐ体制を作ることが重要です。

　今回は虐待事故防止のテーマをお伝えしました。介護事業の運営や新規事業展開は弊社までご相談下さい。

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