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高齢者住宅・障がい者住宅
2022.09.01

ピアスタッフが回復モデルに 依存症に専門チームで寄り添う救護施設/住民が建てて使うケア付き住宅 「風の丘」は 「地域包括ケア」を体現

ピアスタッフが回復モデルに 依存症に専門チームで寄り添う救護施設


※「福祉新聞」依存症の方を受け入れる救護施設

 社会福祉法人大阪婦人ホーム(石田易司理事長)の女性専用救護施設「ホーリーホーム」(定員90人)。赤い羽根福祉基金の助成事業を活用して依存症者・暴力被害者の受け入れ・支援・地域移行に力を入れている。  

 大阪市東南部の町工場が建ち並ぶ一角にあるホーリーホームは、1907年創設の最も古い女性専用救護施設。全国180カ所の救護施設のうち、同ホームを含めても全国に5カ所しか存在しない。

  助成事業以前から、利用者に依存症者や暴力被害に遭った人はいたが、その過酷な経験が入所後の「問題行動」に発展するケースもあり、その都度職員は対応に苦慮。適切な支援策を模索していた。

 福越直子施設長は「女性依存症者には暴力などの被害体験者が多い。それまで他の利用者と同じ支援内容だったのを、チームで専門的に行うことにしました」と話す。

 依存症利用者の「よりどころ」になればと同じ経験を持つ人を専任のピアスタッフとして雇用した。暴力被害経験のある利用者にも対応するためのカウンセラーも配置。一般職員も含めてチームを組み、支援プログラムを提供した。

  その一つが、依存症ミーティングと暴力被害者ミーティングだ。依存症は多い時で約15人、暴力被害は3人ほどが参加。毎月2回ずつ開催し、ピアスタッフも参加して、自分の体験や気持ちを話すというもの。

  以前までは、「飲酒したい気持ちすら職員になかなか打ち明けてもらえませんでした」(福越施設長)。ミーティングの実施やピアスタッフがホーム内にいることで、「心を開く利用者が増え、行動も落ち着きました。ピアスタッフの姿が身近な回復モデルとなっています」と話す。

 障がい者施設や介護施設はただ決められたサービスを行うだけでなく、サービスの質の向上や多様化が進んでいる。新しい障がい者・介護施設モデルのご相談は弊社まで。

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住民が建てて使うケア付き住宅 「風の丘」は地域包括ケア」を体現


※「高齢者住宅」ケア付き住宅「風の丘」

 住み慣れた地域で最期まで暮らし続ける――。この地域包括ケアシステムの考え方を見事に成し遂げた住宅団地がある。それも社会福祉法人や大企業でなく地元住民が主導。地域に根付いた実践モデルだ。

 国家公務員共済組合が1965年に開発した愛甲原住宅。神奈川県伊勢原市と厚木市にまたがる約900戸の戸建ての住宅団地である。ここに4本の玄関柱が目を引く洒落た「風の丘」が建つ。

 2階建て14室の住宅型有料老人ホームである。1階には介護保険の小規模多機能型居宅介護(小多機)の通所スペースがあり、老人ホーム入居者のほか地域住民が集う。運営するのは住民たちのNPO法人「一期一会」。

 同法人は、団地の商店街で通所介護の「デイ愛甲原」、居宅介護支援事業所、それに、保険外のコミュニティカフェ「CoCoてらす」も手掛ける。いずれも空き店舗を改造した。

 これらの事業所を高齢住民がそれぞれの好みや心身の状況に応じて利用している。終末期を迎えても、入院ではなく、風の丘で暮らし続けて人生の幕を閉じる人たちが多い。2006年4月に開設した風の丘の累計入居者は60人近い。これまでの死亡者35人の6割強に達する22人が自室で旅立った。国全体では病院死が7割を占めるのに。

 「最期までこの愛甲原住宅で」という津崎さんの思いを引き継いだNPO法人。住民による、住民のためのケアサービスの創出活動であり、まちづくり活動といえるだろう。

 終末期を過ごせる施設は近年増加している。介護施設の相談は弊社までお気軽にご相談ください。

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