注文住宅の後悔は住んでから分かることに集まる|国の調査で見た不満の上位5項目と、建てる前に決めること
一宮市の家づくり住宅選びのポイント
「注文住宅 後悔」で調べると、実際に家を建てた方の体験談がたくさん見つかります。どれも実感のこもった話ですが、読み進めるほど気をつけることが増えていき、結局どこから手をつければよいのか分からなくなることもあると思います。
この記事では、個別の体験談ではなく、国の調査から「住まいのどこに不満が集まりやすいのか」を見ていきます。国土交通省がおよそ5年ごとに行っている調査で、不満の多い上位5項目には、はっきりした共通点があります。
後半では、実際に家を建てた方の声を紹介します。後悔を語った声ではなく、建てる前に何を決めていたかが分かる声です。
注文住宅の後悔は、住んでみるまで確かめられないものに集まります
国の調査で、不満が多いのはこの5項目です
国土交通省の「住生活総合調査」は、住まいに対する満足度や今後の住まい方の意向を調べる調査です。住宅・土地統計調査の対象世帯から無作為に選んだ世帯に、およそ5年ごとに聞いています。最新は令和5年12月1日時点の調査で、14回目にあたります。
この調査で、住宅の要素ごとに「非常に不満」「多少不満」と答えた世帯の割合(不満率)を見ると、上位5項目は次のとおりです。
令和5年 住生活総合調査(国土交通省)・住宅の要素ごとの不満率
5項目はどれも、住んでみるまで確かめられないことに集まっています
|
順位 |
項目 |
不満率 |
平成30年調査からの変化 |
|---|---|---|---|
|
1 |
高齢者への配慮(段差がない等) |
43.4% |
減少 |
|
2 |
断熱性 |
41.1% |
2.5ポイント増加 |
|
3 |
エネルギー消費性能(光熱費の節約) |
39.7% |
3.4ポイント増加 |
|
4 |
地震に対する安全性 |
38.4% |
減少 |
|
5 |
いたみの少なさ |
37.9% |
0.3ポイント増加 |
※出典:国土交通省|「令和5年 住生活総合調査(確報集計)結果」
この数字は「注文住宅で後悔した人の割合」ではありません
先に、この数字の読み方を書いておきます。この調査は、全国から無作為に選ばれた世帯に、いま住んでいる家について聞いたものです。持ち家も借家も、新しい家も古い家も含まれています。「注文住宅を建てた人のうち何%が後悔している」という数字ではありません。
住まい全体への不満は減ってきました。ただし持ち家は、令和5年に増えています
同じ調査では、住まい全体への評価も聞いています。「非常に不満」「多少不満」と答えた世帯の割合は、昭和63年の51.5%が過去最高で、令和5年は23.1%でした。長い目で見れば、住まいへの不満は下がってきています。
ただ、持ち家だけを取り出すと様子が違います。持ち家の不満率は平成30年の18.8%から令和5年は19.7%へ、0.9ポイント増えました。昭和63年以降ずっと減ってきた数字が、今回は増加に転じています。ちなみに借家は31.8%です。
令和5年 住生活総合調査(国土交通省)・住宅に対する総合評価の不満率
持ち家の不満率は平成30年から0.9ポイント増えて19.7%。昭和63年以降ずっと下がってきた数字が、今回は上を向きました
※出典:国土交通省|「令和5年 住生活総合調査(確報集計)結果」
家を建てるという行為は、この「持ち家」の側に自分を置くことです。持ち家の不満率は借家より低いのですが、今回は増加に転じています。どこに不満が集まりやすいのかを先に知っておく意味は、そこにあります。
不満が減った項目もあります
上位5項目のほかにも、平成30年から動いた項目があります。外部からの騒音などに対する遮音性は12.5ポイント、台風や水害に対する安全性は6.9ポイント、不満率が下がりました。一方で、維持管理のしやすさは0.9ポイント上がっています。
平成30年調査からの不満率の変化(上位5項目以外)
同じ5年で、下がった項目と上がった項目が分かれています。不満は全体としてただ減っているわけではありません
※出典:国土交通省|「令和5年 住生活総合調査(確報集計)結果」
不満は全体としてただ減っているわけではなく、項目によって方向が分かれています。だからこそ、いまどこに集まっているのかを見る意味があります。
5項目に共通するのは、住んでみるまで確かめられないことです
そのうえで、この5項目には共通点があります。どれも、図面を見ても、モデルハウスを見学しても、見積もりを並べても、確かめるのが難しい項目です。
- 段差は、いまの暮らしでは困りません。困るのは、歳を重ねてからです
- 断熱と光熱費は、夏と冬を1回ずつ過ごしてみないと実感できません
- 地震への強さは、揺れが来るまで分かりません
- いたみは、何年か住んでからでないと表に出てきません
間取りや収納のように、建てる前に図面の上で確かめられるものとは性質が違います。住んでから分かることなので、分かったときにはもう建て終わっている。後悔につながりやすいのは、こうした項目です。
言い換えると、この5項目は、これから建てる人が先回りして決めておける項目でもあります。ここからは、実際に家を建てた方が、それぞれをどう決めていたかを見ていきます。
断熱と光熱費は、不満の増え方が大きい2つの項目です
増えているのは、断熱と光熱費です
上位5項目のうち、平成30年の前回調査より不満率が増えているのは、断熱性(2.5ポイント増)とエネルギー消費性能(光熱費の節約・3.4ポイント増)、そしていたみの少なさ(0.3ポイント増)です。高齢者への配慮と地震に対する安全性は減っています。
※出典:国土交通省|「令和5年 住生活総合調査(確報集計)結果」
建てる前に、UA値と等級で確かめられます
断熱と光熱費は、住んでから分かる項目の代表ですが、建てる前に数字で確かめる方法があります。家の断熱性能はUA値という数字で表され、光熱費にかかわる省エネ性能は、国の指針にもとづく省エネ性能の表示制度(BELS)の評価書で示すことができます。当社では全棟でBELS評価書を発行しています。
UA値の読み方や、断熱の基準であるHEAT20の3段階の違いは、一宮市の注文住宅の費用で、愛知の気候に合わせた断熱の考え方は、高気密高断熱の「正解」は、地域によって違うで詳しく扱っています。
断熱の性能は、UA値のほかに「断熱等性能等級」という等級でも表されます。いまは等級1から等級7まであり、ZEH水準が等級5、その上に等級6と等級7が設けられています。等級6・7は、暖冷房の一次エネルギー消費量を概ね30%・40%削減することを目安に決められた等級です。
さらに2025年4月から、規模や用途を問わず、すべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務づけられました。これから建てる家は、最低ラインそのものが上がっています。打ち合わせで「断熱等性能等級はいくつですか」と聞けば、会社をまたいで同じ物差しで比べられます。
※出典:国土交通省|「住宅性能表示制度の見直しについて」「建築物省エネ法のページ」
建てた方は、何を先に決めていたか
ここでは、実際に建てた方が、建てる前にどこを決めていたかを見ます。
まずはZEH対応の家にしようと考えていたなかで、家の性能とそのコストバランスに優れていたので、決めました。
※出典:ニッケンホーム|「ZEH対応にしたくて、家の性能とそのコストバランスに優れていたので決めました。」(春日井市/Y様邸)
この方は、会社を選ぶ前に「ZEH対応の家にする」という基準を先に決めています。住んでからの感想はこうです。
高断熱のおかげか光熱費は安く、過ごしやすい。
※出典:ニッケンホーム|「ZEH対応にしたくて、家の性能とそのコストバランスに優れていたので決めました。」(春日井市/Y様邸)
別の方は、住んでからの変化を具体的に書いています。
断熱が効いているので空調の利用率がかなり減った。
太陽光発電のおかげで電気代がかなり下がった。
※出典:ニッケンホーム|「コスパが良くて、断熱や耐震もしっかり」(岐阜市/I様邸)
一方で、断熱の良い家でも、それだけですべてが解決するわけではないことを、率直に書いている方もいます。
夏は暑すぎてエアコンは必要ですが、断熱性はバツグンでとても快適に過ごせている。
※出典:ニッケンホーム|「ニッケンホームで建てて本当によかったと思います。」(一宮市/H様邸)
別の方は、冬の様子をこう書いています。
外気温1℃でも家の中が暖まってしまえばエアコンの出力を抑えても暖かいままです。
※出典:ニッケンホーム|「「誠実さ」が決めて!高品質・低価格で夢を実現できました。」(岐阜県/M様邸)
断熱性能が高い家は、エアコンが要らない家ではありません。エアコンで整えた室温が保たれやすい家です。この違いを知ったうえで建てるかどうかで、住んでからの受け止め方は変わります。
岐阜県神戸町Y様邸|標準仕様を上回る断熱を、建てる前に決めた平屋


光熱費の請求を見て「今年も高い」と思ったことがある方に見ていただきたい1棟です。この家は、標準の仕様を大きく上回る断熱仕様にして、窓の形も一つずつ選んでいます。どれも、図面の段階で決めた項目です。その結果が、省エネ基準の家と比べた年間光熱費の差に出ています。断熱は住んでから足せるものではないので、建てる前に決めた分だけが返ってきます。
| 建築種別 | 平屋 |
|---|---|
| 所在地 | 岐阜県神戸町 |
| 延床面積 | 27.05坪(89.26㎡) |
| 敷地面積 | 51.73坪(171.00㎡) |
| 年間光熱費 | 26.62万円 → 14.64万円(45%減) |
地震といたみは、見えない部分を先に決めた人が安心しています
新築で実際に寄せられている相談を見ると
地震に対する安全性(38.4%)といたみの少なさ(37.9%)は、どちらも構造や地盤、外装の材料のように、完成した家を見ただけでは良し悪しが分からない部分で決まる項目です。
新築の住宅で実際にどんな不具合の相談が寄せられているかを見ると、このことがよく分かります。住宅品質確保法にもとづいて国土交通大臣から「住宅紛争処理支援センター」に指定されている公益財団法人のまとめでは、2024年度の新築住宅の相談は11,682件でした。住宅のトラブルに関する相談のうち、不具合が生じているものは74.6%です。
「戸建住宅」「共同住宅等」ともに「ひび割れ」が最も多く、次いで「雨漏り」「性能不足」が多かった
さらに、相談の多い不具合について、家が建ってから何年目に起きたかを見ると、「性能不足」は築1年未満までに5割を超えています。住み始めてすぐに表に出てくるということです。
※出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター|「住宅相談統計年報2025」
なお、これは相談に来た方の集計であって、新築住宅全体のうち何%に不具合が出るかを示すものではありません。
構造と雨漏りは、法律で10年間の責任があります
構造と雨漏りについては、法律で引き渡しから10年間、住宅会社に責任があることが決まっています。その範囲と、法律の外側にある保証の違いは、一宮市で工務店に頼むとき、引き渡しのあとに何が起きるのかで整理しています。
ただ、保証は不具合が起きたあとの備えです。起きにくい家にするには、見えない部分を建てる前に決めておく必要があります。地震と地盤について、建てる前と住んでからの両方を書いている方がいます。
地震への強さも、等級で決められます
地震についても、建てる前に決められる物差しがあります。住宅性能表示制度の耐震等級は3段階で、極めて稀に(数百年に一度程度)起きる地震の力に対して、等級2はその1.25倍、等級3は1.5倍の力を受けても倒壊・崩壊しない程度、と決められています。
※出典:国土交通省告示|「日本住宅性能表示基準」
等級は図面の段階で選ぶ項目です。揺れが来てから変えることはできません。先ほどの「住んでみるまで分からない」項目のうち、地震だけは、確かめる機会が来ないほうが良いものです。だからこそ、数字で決めておくことになります。
工法と地盤を、先に決めていた方がいます
2×4による耐震性、高気密、高断熱。耐火、耐久性、防音性にも優れている所。
地盤もしっかり調べていただき、改良していただいたので地震がきても安心して過ごせるようになりました。
※出典:ニッケンホーム|「とても快適なうえ、安心して過ごせるようになりました。」(名古屋市/T様邸)
1つめは会社を決めた理由、2つめは住んでからの感想です。工法は建てる前の判断材料として、地盤は建てる前の調査と改良として、どちらも完成後には見えなくなる部分が、住んでからの安心につながっています。当社の家は、どのグレードでも耐震等級3(認定取得)で、全棟で構造計算(許容応力度計算)を行っています。
※出典:ニッケンホーム|「選べる3つのグレードで快適な住まいを実現」
いたみにかかわるのは、家の外側の材料です
いたみの少なさにかかわるのは、外壁や屋根といった、家の外側の材料です。外壁について、最後まで迷ったと書いている方がいます。
外壁はALCパワーボードにしました。最後まで悩みましたが正解でした。雨音、風音が全くと言ってもいいほど聞こえません。
※出典:ニッケンホーム|「「誠実さ」が決めて!高品質・低価格で夢を実現できました。」(岐阜県/M様邸)
外壁材は、当社では選ぶグレードによって窯業系サイディングとALCパネルに分かれており、すべての家がALCになるわけではありません。迷ったときに「最後まで悩む」こと自体が、あとで後悔しないための手順だと言えます。
不満の1位は「段差」。いまの暮らしではなく、30年後の暮らしで決めてください
不満の1位は「段差」です
住宅への不満率でいちばん高いのは、「高齢者への配慮(段差がない等)」の43.4%です。前回調査から減ってはいますが、それでも5項目の中で最も高い数字です。
※出典:国土交通省|「令和5年 住生活総合調査(確報集計)結果」
いまの暮らしではなく、30年後の暮らしで決めてください
家を建てる世代にとって、この項目は後回しになりがちです。30代で建てた家で、すぐに段差に困ることは多くないはずです。困り始めるのは、親が泊まりに来るようになったときや、自分たちが歳を重ねてからです。そのころには、住み始めて20年、30年がたっています。
段差や階段の位置は、建てる前の打ち合わせで決める項目です。いまの暮らしではなく、30年後の暮らしを思い浮かべて決めておくことが、この項目での後悔を減らします。平屋や、1階で暮らしが完結する間取りを考える方法もあります。平屋の考え方については、一宮で平屋を建てたい。その希望の中身を、敷地から確かめるで紹介しています。
段差を減らす選び方のひとつが、平屋です
段差を減らす選び方のひとつが、平屋です。階段そのものがないので、上り下りも、階段まわりの段差もありません。生活がワンフロアで完結します。敷地の広さなどの条件が合えば、この項目については有利な選び方になります。
瀬戸市T様邸|階段のない家で、30年後の暮らしまで見ておく


子どもが生まれて「部屋が足りない」と思ったときに建てる家は、その子が独立したあとも続きます。この家は平屋で、生活がワンフロアで完結します。階段がないので、上り下りも、階段まわりの段差もありません。不満率が1位だった「高齢者への配慮」は、間取りを決める段階でしか手を打てない項目です。いま困っていないことを、いま決めておくという選び方が形になっています。
| 建築種別 | 平屋 |
|---|---|
| 所在地 | 瀬戸市 |
| 延床面積 | 29.23坪(96.47㎡) |
| 敷地面積 | 68.22坪(225.52㎡) |
| 年間光熱費 | 26.54万円 → 15.66万円(41%減) |
福祉施設の設計で見てきたこと
当社は1979年の創業から45年以上、3,800棟以上の住宅に関わってきました。2016年からは介護・福祉施設の建築も手がけており、高齢の方や障がいのある方の暮らしを支える建物で得た知見を、住宅のバリアフリー設計にも生かしています。
※出典:ニッケンホーム|「ニッケンホームの強みとは」「会社案内」(沿革)
後悔は「知らなかった」から生まれます。住んでから分かることを、建てる前に聞いてください
分かって選んだ人は、後悔していません
最後に、ひとつの声を紹介します。住んでからの感想として、3つのことが書かれています。
・気密性がよい
・室内の音が響く(吹き抜けのため)
・満足しています
※出典:ニッケンホーム|「間取りの打ち合わせを何度も自分が納得するまで行ってくれた。」(江南市/K様邸)
音が響くことを、理由を添えて書いたうえで、「満足しています」と続けています。吹き抜けを選べば音が伝わりやすくなることを、選んだ結果として受け止めている書き方です。
吹き抜けは上下の空間がつながるぶん、音も上下に伝わりやすくなります。同じ「音が響く」でも、分かっていて選んだ人にとっては納得のうえの性質で、知らずに住み始めた人にとっては後悔になります。後悔を分けているのは、音が響くかどうかではなく、それを知っていたかどうかです。
良いことだけでなく、そうでないことまで聞けたか
建てる前に、良いことだけでなく、そうでないことまで聞けたと書いている方もいます。
疑問点などにメリットだけでなくデメリットまでしっかり説明してもらえた。
※出典:ニッケンホーム|「ニッケンホームで建てて本当によかったと思います。」(一宮市/H様邸)
各種説明が丁寧で、土地建物以外の費用等についても詳しく説明されたので計画が立てやすかった。
※出典:ニッケンホーム|「コスパが良くて、断熱や耐震もしっかり」(岐阜市/I様邸)
建てる前に決められることは、思ったより多くあります
国の調査で不満が集まっていた5つの項目は、どれも住んでから分かることでした。住んでから分かることは、建てる前に自分で確かめることはできません。けれど、建てる前に聞くことはできます。この断熱でエアコンはどれくらい効くのか。この工法と地盤で、地震のときに何が守られるのか。この外壁は何年ごとにどんな手入れが要るのか。この段差は30年後にどうなるのか。そして、この間取りを選ぶと、代わりに何が起きるのか。
後悔しないための一番の近道は、失敗例をたくさん集めることよりも、自分たちが選ぼうとしているものについて、その引き換えを建てる前に知っておくことなのだと思います。
家づくりの相談も、こうした「住んでから分かること」の確認も、まずは聞いていただくところからで構いません。