この心地よさを、モデルハウスで。施工事例で気になったことを、実際のモデルハウスで確かめませんか?モデルハウスを見学する

STORY OF A HOME / I FAMILY

海の近く、お店の隣で。家族が楽しく暮らすための家づくり。

設計担当 青山 享平

設計担当 / Kyohei Aoyama

青山 享平

「要望をそのまま形にするだけでなく、暮らしとコストのバランスまで一緒に考える」

お店を営むご夫婦と娘さんの3人家族。住まいはお店と一緒の建物でした。お店の駐車場だった土地に、海の近くならではの水害と塩害に備えながら、家族が楽しく過ごせる家を建てるまで。担当・青山への聞き取りをもとに、完成した家の背景をご紹介します。

PROLOGUE

お店と一緒の住まいから、隣の土地へ。

I様は、常滑市でお店を営むご夫婦と、娘さんの3人家族です。家を建てる前は、お店と住まいが一緒になった店舗併用住宅で暮らしていました。お店と一緒の建物なので、住まいに使える部屋は限られていました。娘さんには自分の部屋がなく、増えていく服や荷物は、しまいきれずに部屋に出したまま。建物も古く、冬になると脱衣所や廊下はひんやりと冷えていました。

大きな不満があったわけではありません。娘さんは当時7歳。お店の近くには自分たちの土地もある。そこに家を建てたらいいかな、という、ふわっとした思いがありました。いつまでに、と決めていたわけではありません。それでも、奥様より年上のご主人様は40代後半。娘さんもこれから大きくなっていきます。家を建てるなら、年齢的にもそろそろ今のうちに。娘さんが大きくなっていく時間を、自分の部屋のある家で過ごさせてあげたい。そう考えて、家づくりに動き出しました。

家づくりの相手を探すときに、ご夫婦がまず挙げたのは水害のことでした。海が近く、塩害もあるような場所です。水害への備えは、ご夫婦そろって、しっかりやりたい条件でした。一方で、今のお店の住まいもあるので、ほかに絶対に必要なものは特にありません。どちらかというと「自分たちが楽しい家を建てよう」くらいの気持ちでした。

  • 海の近くなので、水害への備えをしっかりする
  • 塩害にも気をつける
  • 今の住まいもあって余裕があるので、自分たちが楽しい家にする

そんなご家族を、担当の青山がご案内したのが、当時あった移動式のモデルハウスでした。家の中央にオープン階段があり、床には無垢材。その雰囲気を、奥様と娘さんがとても気に入りました。ご主人様は、奥様と娘さんにお任せというスタンスです。

ほかの住宅会社とも比べていましたが、決め手になったのは、最初の段階でモデルハウスの雰囲気がご家族の心をつかんだこと。そのうえで、いちばん気にしていた水害への対策まで、ご家族に合わせて提案できたことでした。

モデルハウスを見たご家族は、このままでもいいくらい、という反応でした。それでも青山は、3人の実際の暮らしを先に聞きました。この間取りが本当に合うかを確かめたかったからです。聞いてみると、お店の住まいは残るので、新しい家だけで暮らしのすべてをまかなうイメージではありません。お店側の住まいは物置にしたり、ご主人様が休んだりすることもできます。それなら、楽しく過ごせるこの間取りの雰囲気で合う。青山がそう伝えると、ご家族は「じゃあ行こう」と話が進みました。

一宮の会社と常滑のご家族。距離はかなりありましたが、青山はお店に何度も通い、打ち合わせを重ねました。契約のとき、ご主人様からは、そのフットワークの軽さがすごく決め手になった、と言っていただきました。

木の踏み板とアイアンの手すりのオープン階段
ご家族が気に入った、中央のオープン階段と無垢材の床。

01 RAISING THE GROUND

基礎ではなく、敷地を上げる。

家を建てるのは、お店の駐車場として使っていた、もともとの所有地です。ここに建てることは前から考えていたので、場所は最初から決まっていました。お店のお客さんの車は、近くに別の駐車場を確保しています。

海が近く、浸水のリスクがあることは、土地を見ただけでも分かりました。役所で調べ、ハザードマップも確認しています。最大の想定では、床上どころでは済まないほどの浸水になる場所でした。

そこでご家族が出した答えは、現実的なものでした。最大の想定まで備えなくてもいい。でも、近所のお家と同じくらいには、少し高さを上げたい。

最初の希望は「基礎を高くしたい」でした。高くするなら基礎を上げる、というのがいちばん分かりやすい方法だったからです。ただ、基礎を高くするとコストが大きくかかります。青山が提案したのは、敷地そのものを先に高くして、その上に家を建て、道路からはスロープのように上がるアプローチをつくる方法でした。このほうが暮らしやすく、コストも抑えられます。

ご家族にとって大事なのは、高くすることそのものでした。コストが抑えられて、使い勝手もいいなら。「じゃあ地盤を上げようか」と、話はすぐにまとまりました。

基礎を高くする案と、敷地を高くする案の比べ方
説明用のイメージ図です。高さの比率は実際の寸法ではありません。

道路からスロープのように上がる形になることは、最初からお伝えしていたので、ご家族から特に気になる点は出ませんでした。

02 LIVING WITH THE SEA BREEZE

潮風と、長く付き合うために。

海の近くで気をつけたいのは、水だけではありません。潮風による塩害です。青山は、外壁などにはなるべく金属のものを使わないこと、金属を使うなら塩害に強いステンレスにすることを提案しました。

あわせてお伝えしたのが、給湯器のことです。塩害のある地域では、給湯器はどうしても傷みやすい。ご家族はお店を営みながら長くこの土地に住んでいるので、そのことはもともとよく分かっていました。そのうえで、給湯器は塩害に強いタイプを選んでいます。

外観は、最初から黒をベースにしました。言い出したのは奥様と娘さんです。黒のトーン違いや、少しグレーがかった色など、微妙な色の組み合わせをCGで何パターンかご提案し、お二人が気に入って選びました。

黒をベースにしたI様邸の外観
奥様と娘さんが選んだ、黒をベースにした外観。

03 FROM THE MODEL HOUSE

モデルハウスで、娘さんが「面白いね」。

間取りは、ご家族が気に入った移動式のモデルハウスをベースにしています。奥様と娘さんがまず「やりたい」と言ったのは、木の踏み板にアイアンの手すりが付いたオープン階段でした。

もうひとつお二人が気に入ったのが、1階に広い空間がひとつながりにあることです。個室がたくさんほしいご家族ではなかったので、広い空間はそのまま生かしました。

LDKの横には、小上がりのタタミコーナーがあります。これもモデルハウスにあったものです。見学のとき、娘さんが実際にそこで過ごしてみて「これは面白いね」。そのまま採用が決まりました。2階のフリースペースもモデルハウスにあったもので、勉強にいいね、という話からそのまま取り入れています。

そのままではなく、ご家族の好みで変えたところもあります。モデルハウスの壁は白いクロスでしたが、奥様と娘さんから、中も黒寄りの雰囲気にしたいという希望がありました。そこで、いろいろなクロスを見比べた中から、石目調の柄が入ったグレーのクロスを選び、ベースにしています。

予算には余裕があったので、どこかを大きく削るような話にはなりませんでした。そのぶん、ご家族が好きなところにしっかりお金をかけています。中央の階段と、1階の床すべての無垢材。キッチンも、背面収納まで奥様の希望どおりにしました。モデルハウスで最初に惹かれた階段と無垢材は、奥様と娘さんにとって、ここは譲れないところでした。

LDKの横にある小上がりのタタミコーナー
娘さんが「面白いね」と言った、小上がりのタタミコーナー。

04 STORAGE AND ONE MORE ROOM

服の置き場と、2階のもう一か所。

前の住まいで足りなかった収納は、奥様の希望で、モデルハウスよりも多めに取りました。1階のファミリークローク、2階のウォークインクローゼット、玄関の収納。女の子の娘さんがいるので、服をしまう場所はたくさんほしい、というのが奥様の話でした。

前の家にはなかった娘さんの部屋は、2階の真ん中につくりました。2階にはフリースペースを広く取るので、娘さんの部屋はコンパクトにまとめよう。これも奥様の要望です。

いちばん迷ったのは、2階の使い方でした。寝室と子ども部屋のほかに、もう一か所をどうするか。

将来、親御さんのお世話が必要になったら、1階のリビングやタタミのあたりを使ってもらうことになります。そのとき、2階の残りの場所をフリースペースにしておけば、そのあいだだけセカンドリビングのように使える。ただ、ご夫婦には「ちょっともったいないかな」という気持ちもありました。

青山は、このスペースがあったほうが家全体のバランスもよいこと、ご主人様がお仕事を引退したあとの部屋にも、娘さんの趣味のスペースにもなることを伝えました。「せっかくお金をかけるんだったら、やっておきましょうよ」。ご夫婦はその場で、つくることに決めました。

2階のフリースペース
2階のフリースペース。1年点検のころには、娘さんの遊び場兼勉強部屋に。

05 LIFE IN THE NEW HOME

階段ではしゃいだ日から、娘さんの居場所へ。

引き渡しの日、娘さんは中央のオープン階段を上ったり下りたりして、はしゃいでいました。

1年点検でうかがったとき、タタミコーナーも2階のフリースペースも、娘さんの遊び場兼勉強部屋のようになっていました。収納には、服がきっちりいっぱいに入っていました。

点検のときの世間話で、奥様が住み心地のことを話してくださいました。前の住まいは古い建物だったこともあり、夏も冬も快適になったこと。前の家ではひんやり冷えていた脱衣室や廊下も、冬でもリビングとほとんど温度が変わらないこと。太陽光を載せたおかげで、光熱費もそれほどかからないこと。喜んでいただいていました。

2階のホールから見下ろすオープン階段
引き渡しの日、娘さんがはしゃいで上り下りしたオープン階段。

敷地を上げて、水害に備えること。潮風に強い材料と設備を選ぶこと。モデルハウスで気に入った階段とタタミコーナーを、ご家族の好みの色で仕上げること。服の置き場と、もしもの時の2階を用意すること。I様邸には、こうした一つひとつの判断がつながっています。

設計担当・青山 享平から

「自営業で、実際に住まいもあるけれど、隣の敷地に家を建てたい。家づくりの中では少し変わった条件のお客様だったことが、とても印象に残っています。一宮から常滑のお店に何度も通って打ち合わせを重ね、水害には、基礎ではなく敷地を上げる形をご提案しました。その条件に合わせて、住んでいて楽しいと思える家をしっかり提案できたことが、思い出に残っています。」

今伊勢町2階建てモデルハウスの室内

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写真で気になった暮らしを、今度は、実際の住まいで。

広さの感じ方、家事の動線、素材の手ざわり。
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