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STORY OF A HOME / Y FAMILY

調べ抜いて、断熱等級7へ。エアコン1台で整う平屋。

設計担当 森 大介

設計担当 / Daisuke Mori

森 大介

「何気ない会話から、要望の奥にある理想を見つける」

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古い店舗併用住宅での暮らしは、暑さ寒さがつらく、夜中には県道を通るバイクの音も響きました。お店を続けながら、すぐ隣に建てた平屋。最初はZEHの家として始まった計画は、Y様ご自身が調べ抜いた末に、断熱等級7まで進みます。設計担当・森への聞き取りをもとに、完成までの経緯をご紹介します。

PROLOGUE

お店を続けながら、隣に建てる。

Y様が暮らしていたのは、古い店舗併用住宅です。スポーツ用品の販売も行っていました。築年数の古い店舗併用住宅は、夏は暑く、冬は寒い家でした。夜が更けると、前の県道を走るバイクの音が響きます。お店を続けながら暮らす毎日の中で、Y様はこの暑さ寒さと音に、ずっと悩まされてきました。

お店は今も営業しています。店舗併用住宅を取り壊すわけにはいきません。そこでY様が選んだのは、その母屋のすぐ隣に、新しく自分の家を建てることでした。住むのはY様お一人。それでも、将来はできれば親御さんとも一緒に暮らせるように。そんな前提で、家づくりが始まりました。

動き出したのは、いくつもの理由が重なったからです。母屋の築年数が気になってきたこと。親御さんの年齢のこと。そして、ご自身の年齢のこと。それらをトータルで考えて、今建てようと決めました。

Y様は、資料請求をして、ニッケンホームから資料を取り寄せました。その後、来場の予約をして本社へ。そこで出会ったのが、設計担当の森です。森は本社横のモデルハウスを案内し、まず、なぜ家を建てたいのかという根本の理由、やりたいこと、そして予算感をうかがいました。

性能の話になり、森がZEHの住宅について説明すると、Y様はすでにそのことをご存じでした。このときのY様は、「ZEHの家でいい」というお考えでした。

Y様は、気になったことを細かく質問する方です。森はその一つひとつに答えを返していきました。答えが途中で変わらないこと。見積もりの筋が通っていること。Y様がいちばん大事にしていたのは、そこでした。

最後まで比べたのは、ニッケンホームを含めて3社。最終的にY様が挙げた決め手は2つあります。

  • 性能と価格のバランスが優れていること
  • 仕様に柔軟性があり、やりたいことができること

このとき思い描いていたのは、ZEHの性能の家です。2つ目の決め手が本当に効いてくるのは、契約のあとでした。

Y様邸の外観
母屋の隣に建てた平屋。

01 LISTENING TO THE ROAD

県道の音から、部屋の並びを決める。

別の土地を買うことは、最初から考えていませんでした。お店を続けているので、母屋を建て替えることもありません。

お店を続けるから、母屋は残す。母屋を残すから、建てられるのはその隣の、それほど大きくない土地。土地いっぱいに建てるから、母屋との間隔や駐車場を考える余地はない。そして北側には県道が面している。間取りは、条件が一つずつ重なって、少しずつ形が決まっていきました。

この土地でY様が気にしていたのは、北側に面した県道の騒音です。母屋に住んでいた頃は、深夜に通るバイクの音がうるさく感じられていました。

そこでニッケンから提案したのが、道路側の北に玄関・トイレ・キッチン・洗面・浴室を並べ、2つの洋室を南側に寄せる間取りです。キッチンとお風呂の換気扇も、シャッター付きのものを提案しました。騒音対策であると同時に、気密性を上げるためでもあります。外の音が入りやすいところを、一つずつ減らしていきました。

配置の説明図。北に県道、西に母屋。北西に玄関とトイレ、北にキッチン、北東に洗面と浴室。中央のLDは南の庭に接している。南西に洋室2、南東に洋室1
説明用のイメージ図です。実際の間取りとは寸法・形が異なります。

浸水については、Y様ご本人が「リスクはない」と判断していました。ずっとこの場所に住んできて、浸水したことがなかったからです。着工前の地盤調査では、地盤改良工事は不要という結果でした。基礎は標準より高くしています。sumikaを施工できる高さにしたこと、基礎の底にも全面に断熱材を張ったことで、その分、基礎も高くなりました。

02 FROM ZEH TO GRADE 7

ZEHから、断熱等級7へ。

契約が決まり、間取りの打ち合わせを進めていた途中のことです。Y様から、「断熱性能と気密性能を、最高ランクの断熱等級7まで持っていきたい」という希望が出ました。

Y様は、仕事柄も性格柄も、物事をとことん調べて掘り下げる方です。断熱と気密に特化したYouTubeのチャンネルもよく見ていました。調べるうちに、ZEHのその先にある断熱等級7にたどり着いたのです。

森の答えは、「やりましょう」でした。

そこからの打ち合わせは、少し変わった形で進みます。こちらから「こう変えましょう」と提案するのではなく、Y様が調べてきた部材を一つずつ、使えるかどうか確かめ、良いところと注意点を森が伝えていきました。確かめたのは森ひとりではありません。設計、工務、積算と、社内一丸となって検討しました。

真空トリプルガラスを使いたいというY様に、森はこう伝えました。「性能の数字は良くなります。ただ、金額はそこそこ上がりますし、窓の開け閉めはかなり重く感じると思います」。セルロースファイバーについても、「厚みが出せて数字はかなり良くなりますが、金額はどうしても上がります」。

Y様は全体の資金計画を確認すると、わりと早く「やる」と決めました。注意点まで聞いたうえで、迷いはありませんでした。どこかを削って帳尻を合わせることはありませんでした。むしろ、あとからやりたいことが増えていきます。そのひとつが、ダクト式の第一種換気システム「sumika」です。断熱・気密のチャンネルで必ず出てくる商品で、これもY様の希望でした。

UA値の比較。省エネ基準の上限0.87、ZEHの断熱基準の上限0.60、この家0.26。数値が小さいほど熱が逃げにくい

03 QUIET DESIGN

すっきりと、この先の暮らしまで。

性能と並んで、Y様が最初から望んでいたのが「すっきりした雰囲気」です。照明はダクトレールを壁に付けて間接照明として使うなど、配置を工夫して、ホテルライクな雰囲気に仕上げました。南側には大きな庇を付けています。照明の配置も、南の大きな庇も、計画の最初からあったものです。

リビング
すっきりとまとめたリビング。

平屋にすることは、最初から決まっていました。2階建ては検討していません。ご高齢の親御さんとの同居が前提だったこと。そしてY様ご自身も、「2階に上がるのは面倒くさい」と話していました。段差のない平屋で、玄関とトイレには縦の手すりを付けました。将来、親御さんと一緒に暮らすことになったときのため。そして、当時40代後半ほどだったY様ご自身が、この先も長く使っていくためでもあります。

04 LIFE IN THE NEW HOME

8畳用のエアコン1台で、家じゅうが快適。

住み始めてから、森は8月と2月の定期点検でY様邸をうかがっています。

8月の点検。エアコンは、リビングの南面に付けた8畳用が1台だけです。その1台で、家全体が冷えているとY様から聞きました。森が家に入ると、どの部屋もかなり涼しく感じられました。

冬は、11月から12月ごろまで暖房なしで過ごせました。さすがに1月に入ってからは暖房を入れましたが、そのエアコンを回すだけで家じゅうが暖かくなっています。電気代については、「全く気にせず生活できる」とY様は話しています。

ダイニングとキッチン
エアコンは、リビングの南面に付けた8畳用の1台だけ。

母屋では深夜のバイクの音がうるさかった県道の音も、点検で聞くと、今は「全く気にならない」。最初にお伝えした窓の重さについては、Y様も「確かに重い」と言います。そのうえで、「エアコン1台で室内が整うので、実際に開けることはそんなにない」と続けました。

県道の音から決めた部屋の並び。調べ抜いて選んだ窓と断熱。この先も見すえた、段差のない平屋。Y様が一つひとつ確かめて決めたことが、8畳用のエアコン1台で整う今の暮らしにつながっています。

設計担当・森 大介から

「かなり細かいところまで、断熱性だったり気密性だったり、一つの物事に対してこだわった住宅なので、私自身も勉強になる部分が非常に多かった住宅です。私だけで調べたわけではなく、設計や工務、積算と、社内一丸となって検討しました。社内で一番、断熱と気密に詳しくなったと思います。」

今伊勢町2階建てモデルハウスの室内

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写真で気になった暮らしを、今度は、実際の住まいで。

広さの感じ方、家事の動線、素材の手ざわり。
ニッケンホームのモデルハウスで、確かめてみませんか。