この心地よさを、モデルハウスで。施工事例で気になったことを、実際のモデルハウスで確かめませんか?モデルハウスを見学する

STORY OF A HOME / S FAMILY

ふるさとに戻る、22坪の平屋。必要なものを、余すことなく。

設計担当 森 大介

設計担当 / Daisuke Mori

森 大介

「何気ない会話から、要望の奥にある理想を見つける」

スタッフ紹介を見る(別タブで開きます)

お子さんが独立し、兵庫県から地元・一宮へ。60代のご夫婦が選んだのは、お兄様の畑に建てる22坪の平屋でした。2人で暮らせる最低限の大きさに、奥様の手芸の場所と、畑の道具の置き場所。完成見学会から平屋のモデルハウスが生まれるきっかけにもなった家づくりを、設計担当・森への聞き取りからご紹介します。

PROLOGUE

子育てを終えて、ふるさとへ。

S様は、すでに仕事を引退された60代のご夫婦です。家を建てる前は、兵庫県のマンションに住んでいました。確か3LDKの間取りだったと、森は記憶しています。それほど広い住まいではありませんでしたが、暮らしの中で特に困っていたことはなかったといいます。マンション暮らしで、ご主人は土いじりや庭仕事のようなことは、まったくしていませんでした。

家づくりのきっかけは、お子さんの独立でした。子育てが一段落したら、地元に戻ろう。定年を迎えてから、ご夫婦はわりとすぐに動き出しました。S様のふるさとは一宮で、ご親族も近くに住んでいます。今回の家も、そのご親族のすぐ近くです。

ニッケンホームを紹介してくれたのも、一宮に住むご親族でした。「一宮で家を建てるなら、ニッケンホームがいいぞ」。ほかにもいくつか住宅会社を見ていましたが、あまり話は進んでいなかったようです。

最初の打ち合わせは、本社のスタジオで行いました。森がまず聞いたのは、兵庫からなぜ一宮に移られるのか、ということです。子育てが一段落したこと。お母様のことも心配なこと。地元に戻りたいという思いが、とても強くなったこと。その思いをとても強く話されたことが、森の印象に残っています。次の打ち合わせでは、間取りや配置の提案と見積もりをお見せする約束をしました。「楽しみにしています」と言って帰っていかれました。兵庫からの遠方でしたが、引退されてフットワークがとても軽く、打ち合わせのたびに会社まで来てくださいました。

計画の大前提は、はっきりしていました。

  • 本当に2人だけで暮らせる、最低限の大きさにする
  • 資金のことも考えて、希望の予算に収める

家の大きさは22坪。2人で暮らすための最低限が、この家のコンセプトです。そのために削ったのが、ダイニングスペースです。2人なので、ダイニングテーブルを置いて食べることはない。かわりに専用のカウンターを設けて、ご夫婦は横に並んで食事をしています。

最終的にご夫婦がニッケンホームに決めたのは、間取りの提案が良かったこと、そして大前提だった予算の中に収まるように計画したこと。この2つを、とても評価していただきました。間取りでとても喜んでいただいたのは、ご夫婦それぞれの寝室を、リビングを挟んで両側につくれたこと。そして、勾配天井にしたことで、リビングとロフトの間で声をかけ合えるようになったことです。今思えば、お孫さんが来たときにロフトで寝かせ、リビングとロフトで話す様子を思い描いていたのかもしれない、と森は振り返ります。

S様邸の外観
ふるさと一宮に建てた、22坪の平屋。

01 ON THE FAMILY FIELD

お兄様の畑に、残せるだけ残して。

建てる場所は、S様のお兄様が持っている土地です。120坪ほどの土地は、もともと全面が畑でした。そこに、畑を一部残して家を建てます。

畑をどれだけ残すか。その答えは、家の大きさから決まりました。まず間取りの打ち合わせで、2人で暮らすのに必要な最低限の大きさはどれくらいかを詰めていく。それを配置計画に落とし込んだうえで、畑は残せるだけ残す。そう進めていきました。

南側の畑はなるべく残したい。これはご主人の希望でした。畑をつぶしてしまうことを、ご主人は少し気にしていたのです。これまで畑を管理してきたお兄様にとっては、弟さんがふるさとに戻ってくる喜びの方が大きく、畑が減っても何も気にしないと言ってくれていました。それでも、ご主人には申し訳ない気持ちがあったのかもしれません。南を空けておけば日当たりもいい、というのも理由のひとつでした。

そのため建物は、必然的に北側へ。駐車場の位置は、なるべく南側を大きく残したいというご希望に合わせて、森が最初から今の位置で提案しました。もし建物の北側に駐車場を置けば、その分だけ建物が南にずれて、南の畑がどんどん減ってしまう。日当たりも悪くなるかもしれない。森がそう説明すると、ご主人は最初から納得してくださいました。決まった配置は、地主のお兄様にも確認していただきました。「これぐらい残るんだったら、いいよね」。お兄様の了承をもらって、配置が決まりました。

浸水については、S様が事前にご自身で調べていました。お兄様から、これまで被害は出ていないと聞いていて、そのうえでハザードマップも確認していました。森は、S様と一緒に現地を見に行っています。地盤調査の結果は、改良工事は不要でした。

敷地の使い方の説明図。120坪の畑のうち、北側に22坪の平屋を建て、南側は畑として残した

02 A MESSENGER

奥様の希望は、ご主人が運ぶ。

奥様は打ち合わせにほとんど同席されず、ご主人がお一人で本社のスタジオに来られます。奥様の要望は、ご主人が全部聞き取って、森に伝えてくださいました。

そうして届いた奥様の希望が、キッチン横のミセスコーナーです。奥様の手芸のためのワークスペース。2人で暮らす最低限の大きさの中に、奥様の趣味の場所をきちんと用意しました。

森が特に気をつけたのも、奥様の要望でした。打ち合わせに来るのはご主人だけ。だからこそ、奥様の要望に漏れがないかを、毎回確かめました。予算についても、ご要望をうかがったうえで、価格を抑えてできるものを提案することもありました。

ミセスコーナー
キッチン横の、奥様のワークスペース。

03 A PLACE FOR TOOLS

デッドスペースを、農機具の置き場に。

打ち合わせの最初には、なかった場所もあります。終盤、森が「ここはデッドスペースになっています」と説明したときのことです。ご主人から返ってきたのは、「それなら、長い農機具をぽんと置けるような場所として作ってください」という要望でした。

今振り返ると、そのころから畑仕事に興味があったのだろう、と森は感じています。

農機具入れ
長い農機具も、ぽんと置ける場所に。

04 THE BUDGET

「実は、予算に余裕があるんです」

希望の予算に収める。それが計画の大前提でした。太陽光発電も、最初は標準の容量のままで進めていました。

ところが、家づくりの時期は電気代が高騰していたころ。ご夫婦はその点をとても心配していました。太陽光パネルを増やしたい、床暖房を入れたい、という話も出てきます。森はむしろ、「予算のこともあるので、もう一度検討した方がいいんじゃないですか」と止める側でした。

そんな中、ニッケンホームが採用している太陽光メーカーから、新しい蓄電池が発表されました。比較的手頃な価格で入れられる、という話です。光熱費を心配しない家にしたい。ご夫婦は、太陽光パネルの増設と蓄電池の設置を決めました。太陽光の増設、蓄電池、床暖房。増えていくたびに、全体の金額は最初に聞いていた予算を超えていきます。「どうしますか。何を減らしますか」。森は何度もたずねました。そのたびに、S様は「なんとかします」と答えていました。そしてそのとき、初めて打ち明けられたのです。実は、最初に伝えていた予算よりも余裕がある、ということを。

森の返事は、「ああ、そうだったんですね。実は、心配していたんです」。そして、こう続けました。「最初から大きな予算を伝えると、いらないものまですすめられるんじゃないか。そういう不安は、絶対にありますよね」。

するとS様は、こう話してくださいました。森さんは、いらないものはいらないんじゃないか、とその都度言ってくれた。だから、安心しています、と。

LDKの床暖房は、冬を暖かく過ごしたい、というご希望から入れたものです。

UA値の比較。省エネ基準の上限0.87、ZEHの断熱基準の上限0.60、この家0.46。数値が小さいほど熱が逃げにくい

05 THE LOFT

荷物の場所が、孫の寝床に。

玄関ホールやキッチン、水回りの上には、固定階段で上がるロフトをつくりました。森がお伝えした注意点は、ロフトへの荷物の出し入れは少し大変かもしれない、ということです。

実際に暮らしはじめてからは、荷物をしまうというより、お孫さんが遊びに来たときに寝られるスペースとして使われていると聞いています。

小屋裏収納(ロフト)
お孫さんが遊びに来たときの、寝る場所に。

06 LIFE IN THE NEW HOME

行くたびに、歓迎される家。

引き渡しの日、ご夫婦が褒めてくださったのは仕上がりでした。「すごくきれいに、上手に作っていただいて、ありがとう」。

住み始めてから、森は何度かS様邸をうかがっています。行くたびに、ご夫婦はとても歓迎してくださり、「すごく満足している」と何度も言ってくださいます。

心配していた光熱費は、「まったく心配がいらなくなった」と、最近も聞きました。冬のために入れた床暖房も、点検のときには「床暖房を入れなくても、結構暖かいよね」という話が出ました。

奥様はミセスコーナーを趣味の場所として使っていて、とても満足していると、森は直接うかがいました。マンションでは畑仕事をしていなかったご主人。最初はお兄様が管理するはずだった畑は、家が建ってみると、S様ご自身も畑仕事が好きになったようで、いろいろなものを育てています。お庭もご主人が自分で手を入れ、かなり見ごたえのある庭になっていました。

うかがったとき、奥様はミセスコーナーに座って、手芸などをされていました。ご主人は外にいることが多く、「今こんなのを育ててるんだ」「外構は自分でここまでやって、今度はこういうことをやるんだ」と、いろいろ教えてくださいました。すごく楽しんでいるな、というのが森の印象です。

LDK
2人で暮らす、居心地のいいLDK。

07 AN OPEN HOUSE

この家から、平屋のモデルハウスへ。

S様邸では、完成見学会を開きました。反響はとても大きく、問い合わせも多く寄せられました。来場した方が驚いていたのは、勾配天井と、「22坪で、ここまでのことができるのか」というところです。

「本当に、いらないものは削った方がいいのかな」。見学された方から、そんな声も聞きました。森が伝えたのは、家づくりに「これが正解」というものはない、ということです。その方に合ったものを進めることが大事なのだと。

この見学会をきっかけに、ニッケンホームは平屋のモデルハウスを建てることになりました。

2人で暮らす最低限の大きさ。ダイニングを削って、横並びのカウンターに。そこに入れた、奥様の手芸の場所と、農機具の置き場所。電気代の不安に応えた太陽光と蓄電池で、光熱費の心配は消えました。冬のための床暖房。お孫さんの寝床になったロフト。畑を南に残せるだけ残した配置は、いまS様ご自身が育てる畑につながっています。そして「いらないものはいらない」と言い続けた森への安心。S様ご夫婦が「必要だ」と思ったものが、一つずつこの家に入っています。

設計担当・森 大介から

「お施主様が本当に必要だと思ったことを、余すことなく取り入れられた住宅です。長年住んでいた兵庫から愛知に引っ越されて、ご不安もあったと思います。地震で壊れない耐久性と、住み心地のいい室内環境。余計なストレスを感じない家にすることで、そのご不安を払拭するお手伝いができたのではないかと思います。予算に余裕があることを知らなかったので、「何を減らしますか」と何度もお聞きしました。予算は、あるだけ使えばいいというものでもありません。結果的には必要なかったかもしれませんが、お聞きしてよかったと思っています。本当に、ご自宅が居心地のいい場所になっているのではないかと思います。」

今伊勢町2階建てモデルハウスの室内

VISIT A MODEL HOUSE

写真で気になった暮らしを、今度は、実際の住まいで。

広さの感じ方、家事の動線、素材の手ざわり。
ニッケンホームのモデルハウスで、確かめてみませんか。