住まいづくりのコラム

昨年より、ニュースを賑わしているマイナス金利。

住宅ローンなどにも大きく影響してくると言われていますが、「一体どのように影響してくるのかいまいちわからない。。。」という方も多いですよね。
大きくニュースにもなったマイナス金利ですが、「そもそもマイナス金利って何？というのも本音ですよね。我々の生活や住宅ローンにどのような影響があるのか気になるところ。

今回はそんなマイナス金利について分かりやすく説明していきます。

マイナス金利って何？

私たちが銀行に預金すると、少しながら利子がついてくると思います。少しづつではありますが、預金が増えていくシステムです。しかし、マイナス金利はこれの真逆なことが起こります。こちらは、預金している金額分の利子を銀行へ支払わなくてはいけないシステムです。簡単に言うと、預金が減っていくということです。

「それって私達にとってはデメリットな施策なのでは？」と思いますよね。
しかし、安心してください。このマイナス金利は、日本銀行と各金融機関における金利の話であり、私達が利用する銀行の預金利子がマイナスになるということではありません。
では、「何故マイナス金利が導入されたのか」気になりますよね。

マイナス金利が導入され、金融機関は日銀にお金を預けていると、利子がつくどころか利子を支払わなくてはなりません。それなら日銀にお金を眠らせておくよりも、企業へ貸し出して金利収入を得たり、他の投資に回したりしよう、という動きに変わっていきます。市場にお金を出回らせて、景気を良くしていこうという施策なのです。

住宅ローンにはどのような影響があるの？

住宅ローンには「固定金利」と「変動金利」があります。
今回のマイナス金利では、固定金利が10年物国債の利回りと連動しているということがポイントになります。

国債は日本国が発行している、国が利子と元本を保証してくれる債券のことです。銀行などの金融機関は、日銀に預けたままだとマイナス金利で損をしてしまうので、まずは、利回りが低くても元本が保証されている国債に投資しようという動きが出てくるのです。つまり、国債が人気になる（大量に買われる）　→　国債の取引金額が上がる　→　利回りが下がる　→　国債の利回りと固定金利は連動しているので、住宅ローンの金利も合わせて下がる。という動きが生まれるのです。

固定金利とは

固定金利型とは、住宅ローンの返済が終わるまで、金利の利率が変わらないタイプの金利システムです。金利の利率は、お金を借り入れた当時の利率に設定され、その後ずっとその利率で利息がつきます。銀行や信用金庫などが設定する金利の利率は、ずっとそのままというわけではなく、時期によって上がったり下がったりしますが、固定金利型の場合は、利率に変動がなくその影響を受けることがないので、月々のローン返済額も変わることがありません。

変動金利とは

変動金利型とは、金利の利率が年2回見直されるタイプの金利システムのことを指します。利率が変わると、元金に掛けられる利率も変わるので、ローンの返済額は変動します。変動金利型は見直しの期間が統一されているわけではないので、借入先によって金利見直しの回数や時期は若干異なりますが、多くの金融機関は年に2回、5年間隔で見直しを行っています。

マイナス金利の今が住宅ローンの組み時？

現在住宅ローンの金利は、過去30年間の推移を見ても最低水準です。すでに過去最低レベルに低い金利なのです。そのため、大幅に金利が低くなるとは言えません。しかし、大きな金利の引き下げは無いにしても、「0.1％」金利が下がるだけで総返済額は大きく変わってきます。

例えば、3,000万円の住宅ローンを固定金利30年で組む場合、「0.1％」金利が下がるだけで、58万円も返済額を減らすことができます。1％下がればなんと562万円にもなるのです。少しの金利差でこれだけもの金額が変わってくるのです。

住宅ローンの借り入れを検討中の方は早めの行動を！

新築で家の購入を検討されている方は、同時に住宅ローンの借り入れも検討しますよね。ここで、マイナス金利は続くから。。。と安心していてはいけません。
住宅ローンの金利は、融資が実行される時の金利が適用されるからです。一般的に、住宅ローンの審査から融資が実行されるまでは、2週間から1ヶ月ほどかかると言われていますが、マイナス金利の影響で住宅ローンの金利が下がり、申込みの数が増え、審査にも時間がかかっています。
申込みが遅くなれば、そのぶん融資の実行も遅くなるので、様々な要因が重なって金利が上がってしまうことも十分にありえます。「早く申込んでおけばよかった...。」ということがないように、計画的に準備を進めていくことをお勧めします。