- 2021.05.22
日光を取り入れることで省エネ効果もある吹き抜け住宅
吹き抜けのあるリビングは人気の高い間取りの1つです。みなさんの中でも、住宅に吹き抜けを設置したいと考えている方は多いと思います。
吹き抜けは、1階と2階など下の階と上の階をつなげて高さのある大きな空間を作る住宅です。住宅だけではなく、ホテルやショッピングモールのエントランスなどでも吹き抜けを設置しているところがあります。
天井に高さがある空間は、開放感があり部屋全体も明るくなります。吹き抜けには色々とメリットがありますので、その特徴をまとめてみたいと思います。
開放感と明るさを味方につけて広々とした空間を演出
吹き抜けのメリットは、開放感のある空間を作れることです。
同じ広さであっても、天井の高さの違いだけで開放感は大きく異なります。吹き抜けを効果的に使うことで部屋を広く感じることができるでしょう。
一般的な住宅だけでなく、狭小地やいびつな形状をした土地に住宅を建てる場合にも、吹き抜け空間を活かすことができます。狭小地や土地の形状から広いさを確保できない場合、吹き抜け空間を作ることで開放感のある家になります。
吹き抜けは、リビングに設けることが多いです。家族が多くの時間を過ごすリビングを開放感のある吹き抜けにすることで、明るい空間を演出することができます。
吹き抜けは高い場所に窓を設置することができます。隣の住宅と距離が近い場合、普通の窓の高さでは日差しを確保することが難しいことも多いですが、吹き抜けで高い場所に窓を設置することで、日差しを取り入れることが可能です。
また、吹き抜けと天窓を組み合わせることで、より日差しを取り入れることができます。天気の良い日は、星空や月を見ることができるのも魅力でしょう。
風の通りが良く、家族との距離も近くなる
住宅に吹き抜けを設けると、風通しが良くなります。通常は1階と2階は天井や床で空間を仕切られており、上層階と下層階の空気の流れは階段を通して動く程度です。吹き抜けがある場所であれば、上下階の空間自体が一体化しますので、風通しが良くなります。
例えば、1階のリビングの窓と2階の寝室の窓を開ければ、上下階で空気の流れが生じるので、家全体で空気を循環させることができます。
ホットプレートを利用した焼き肉やお好み焼きパーティーなど、リビングで調理や食事をして匂いが残りやすい場合でも、上下階の窓を開けて空気の対流を作れば、匂いは早くなくなるでしょう。
最近では、新型コロナウイルス感染症の感染予防対策として室内の換気が重要とされています。吹き抜けを活用して換気を行うことで、通常よりも早く空気を循環させることができますので感染対策にも効果的です。
また、上下階の空間が吹き抜けで一体的になることで、住宅全体のつながりが強くなります。
リビングに吹き抜け空間と階段を設置すると、子供が自室で勉強したり友達が遊びにきていても安心です。また、新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを実施する企業も増えてきていますが、吹き抜けの上階に書斎やワークスペース、子供の自学スペースを設けると、家族の直接の視線や会話などを程よくシャットアウトできます。仕事や勉強にも集中できますし、上下階でフロアが異なっていても家族の気配を感じることができますので、別々に時間を過ごしていても安心感があります。
自然エネルギーを利用して省エネ住宅
吹き抜け住宅は、冬は寒いというイメージがある方もいると思います。昔の住宅は、断熱性能や気密性能が低かったので、空間が大きい分、冬は寒さを感じる住宅が多かったです。
しかし、最近は高断熱・高気密の住宅が増えてきています。断熱性と気密性が高い住宅であれば、一昔前のような吹き抜けがあるだけで不快な住環境になることは少なく、むしろ吹き抜けの特徴を十分に活かすことができれば、省エネ住宅にすることも可能です。
自然エネルギーを利用したパッシブデザイン住宅と吹き抜けは相性が良いです。
高断熱の住宅であれば、取り入れた日差しによる温もりも、室内を暖める日射熱として利用することが可能です。自然のエネルギーを有効活用し、夏場は庇や軒を利用して強い日差しをシャットアウトするように設計することで、一年間を通じて快適な住宅にすることができます。