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住宅工法住宅選びのポイント
2018.08.29

建物の倒壊・崩壊のしにくさを表す「耐震等級」とは?

「耐震等級」という言葉を耳にしたことがありますか?
その名の通り「耐震等級」は、建物がどれくらい地震に強いのかを評価して等級で表したものです。日本はご存知の通り地震が多く発生する地震大国です。
地震による大きな災害を1件でも少なくしたい考えから、こうした等級制度が生まれました。

耐震等級が誕生したのは2000年

建築基準法で建物の耐震について大きな法改正があったのは、1981年と2000年の改正となります。1981年は耐震性について1つの大きなターニングポイントとなっております。
1981年の改正前の建築物は、現在の耐震基準を満たしていないことが多くありました。そのため、耐震工事を行なって現法の基準を満たす状態にする工事が全国的に進められてきていますが、現在でも旧耐震基準の建物が多く存在します。
その次に大きく耐震基準に関して変更があったのが2000年の建築基準法改正です。2000年の建築基準法改正では、1995年に発生した阪神淡路大震災で被害が多かった木造住宅の耐震基準が大きく変わりました。「耐震等級」は2000年の建築基準法が改正された時に生まれた制度です。
阪神淡路大震災では、柱や筋交いが基礎や梁から引き抜かれてしまうことで住宅の倒壊につながりました。そのため、柱と基礎の接合部について金物を使用して引き抜かれることを防止することや、耐力壁をバランスよく配置するバランス計算が建築基準法であらためて定められました。
このように日本の耐震基準に関しては、大地震が発生して多くの被害が出ることで基準を見直し、住宅を支える上で重要な構造部等の新しい基準を定め耐震性を強化しています。
「耐震等級」はこの耐震基準を踏まえた上での基準となります。そのため、「耐震等級」が得られている建物は現行の耐震基準を上回った建物ということになります。

「耐震等級」は1~3の3段階で表示

地震に対する建物の強さとして「耐震等級」は3段階で表示されております。
数百年に1度程度に発生する極めて稀な地震に耐えられ、倒壊しない建物に「耐震等級1」を表示します。また、「耐震等級1」の1.25倍の地震力に対して倒壊や崩壊しない程度の建物が「耐震等級2」の建物となります。さらに地震に対して強いのは「耐震等級3」で1.5倍の地震力に耐えることができる建物となっております。
また「耐震等級」では、地震による建物の倒壊のし辛さだけでなく、暴風や積雪に対する耐風性能や耐積雪性能も評価し、安全な建物かどうかが等級を確認するだけで分かるように表記されています。

地震に強い家づくりのポイントは

建物が地震に強いかどうかは「耐震等級」で表示される制度があるのを理解できたと思います。「耐震等級」を取得することで、地震保険の割引や特別な融資制度を受けられるなど優遇制度があります。建物の安全性を高めるだけでなく、様々な恩恵を受けられるメリットも生まれます。
そこで、地震に強い家づくりを行うには、どのようなポイントがあるのかも確認したいと思います。

まず、建物の軽さが耐震性に影響します。建物が重たいと、建物自身の重量を支えるだけの強さが必要になります。地震発生時には建物が揺れますので、建物の重みが大きければ大きいほど地震力は強くなります。重たい建物の場合、強固な構造を作り出さなければなりませんので、自重が軽い建物の方が地震に強い家づくりが可能になります。
次に建物の開口部の多さも耐震性に関わってきます。窓が多い住宅や大きな窓がたくさんある建物よりも、壁が多い方が耐震性能は高くなります。
地震や自重などの力に耐える壁を耐力壁と言いますが、この耐力壁が建物の中にどのくらいあるかで耐震性が変わってきます。
単純に耐力壁が多ければ強くなるのかと言うと、そう単純なものではありません。耐力壁の多さも重要ですが、配置するバランスも重要になります。例えば、住宅の1階の玄関周辺に耐力壁を多く配置し、集中的に耐力壁を設けたとしても、建物の全体での耐力壁の配置がアンバランスであれば建物が崩壊しやすくなります。建物の局所的に力が加わることで壊れやすい建物になってしまいます。
また、柱や梁との接合部が地震時にもしっかりと接合されている必要があります。地震によって柱と梁の接合部が離れてしまうと、柱や梁の十分に強さがある状態であっても建物が倒壊してしまいます。これを防ぐためには、耐震金物を用いて柱と梁が引き抜かれないようにしっかりと固定することが必要です。

まとめ

耐震に対する建築基準法の基準は、大きな地震が発生して大きな被害が出る度に改正が行われてきました。地震に対して、より安全で安心な建物を法律で定め、さらに建物の強さを表す制度である「耐震等級」で建築基準法の基準よりも高い耐震性能を作ることで、安全な住宅であることが分かります。
「耐震等級」は等級1~3の3段階表示になります。「耐震等級」を取得することで、住宅ローンの優遇制度や地震保険の割引などを受けられる制度もありますし、建物が地震に強くなります。こうした等級の取得を意識した安全性の高い住宅を得ることで、色々な面でメリットを得られるでしょう。

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