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一宮市の建売住宅|地価は5年連続上昇。注文住宅との違いと確認リスト

COLUMN

一宮市の家づくり住まい方

ポータルサイトで一宮市の建売を眺めているうちに、ふと手が止まる。「この値段で買えるなら建売でいいのでは。でも注文住宅と何が違うんだろう」——多くの人がこの問いの手前で足踏みします。

検索しても出てくるのは物件情報ばかりで、「建売と注文をどう比べて、どう決めればいいか」を解説する記事はほとんどありません。

前提の数字を1つ。一宮市の住宅地の公示地価は平均90,650円/㎡・坪あたり約30.0万円(国土交通省の公示地価を基にした市平均の集計値)。名古屋圏でこの水準だからこそ、一宮では建売も注文も現実的な選択肢になります。

私たちニッケンホームは、1979年の創業から45年以上、この一宮で3,800棟以上の家を建ててきた会社です。注文住宅の会社ですが、この記事では立場に寄せず、建売と注文の違いを構造として公平に整理します。どちらを選ぶにしても、違いを知ってから決めるのが後悔しない道だからです。

一宮市で建売が多い理由|地価は5年連続で上がり、市内では5.3倍の差がある

住宅地の平均地価は、5年連続で上がっている

まず前提になる数字を置きます。一宮市の住宅地の平均地価(地価公示)は、2022年から2026年まで5年連続で上昇しています。

年(公示・1月1日時点) 住宅地の平均価格 前年比
2022年(令和4年) 78,900円/㎡ +0.7%
2023年(令和5年) 81,700円/㎡ +1.7%
2024年(令和6年) 84,900円/㎡ +3.3%
2025年(令和7年) 88,100円/㎡ +2.9%
2026年(令和8年) 90,700円/㎡ +2.5%

※出典:愛知県「市区町村別平均価格・平均変動率一覧表(地価公示)」。住宅地の標準地46地点の平均で、5年とも同じ46地点です。
※一宮市が公表している抜粋PDFから算出すると2026年は90,650円/㎡・+2.53%になります。県の表は百円単位に丸めているためで、同じ数字を指しています。

5年で78,900円/㎡から90,700円/㎡、約15%の上昇です。坪に直すと約26.1万円から約30.0万円になります。上がってはいますが、名古屋市内と比べれば水準そのものは低く、この水準だからこそ一宮では建売も注文住宅も現実的な選択肢になります。

同じ市内で、戸建ての敷地どうしが約5.3倍ひらく

平均より大事なのは、市内のばらつきです。一宮市の住宅地の標準地46地点を並べると、いちばん高い地点といちばん安い地点でこれだけ違います。

一宮市の住宅地・標準地の坪単価(2026年公示地価)

栄1丁目(尾張一宮 500m)
共同住宅の敷地
坪110.7万円

335,000円/㎡

神山1丁目(尾張一宮 320m)
戸建ての敷地
坪72.7万円

220,000円/㎡

市平均(住宅地46地点)坪30.0万円

90,650円/㎡

木曽川町里小牧(玉ノ井 1.3km)
戸建ての敷地
坪14.2万円

43,000円/㎡

浅井町大野(木曽川 4.5km)
戸建ての敷地
坪13.8万円

41,800円/㎡

蓮池(萩原 2.9km)
市街化調整区域
坪12.8万円

38,800円/㎡

現況も区域もそろえて比べると、戸建ての敷地どうしで約5.3倍の差があります(神山1丁目と浅井町大野)

※出典:一宮市「一宮市内の 令和8年 地価公示」(国土交通省土地鑑定委員会の地価公示から一宮市分を市が抜粋した公式PDF)。住宅地の用途区分の標準地46地点から抜粋。
※坪単価は円/㎡を3.30578で換算した値です。同じ「住宅地」でも、現況が共同住宅の敷地と戸建ての敷地では水準が違うため、比較は現況と区域をそろえています。

いちばん高い栄1丁目は坪110.7万円ですが、この地点の現況は共同住宅の敷地です。戸建ての家を建てる土地として比べるなら、現況が戸建てで市街化区域内の地点どうしをそろえます。そうすると、尾張一宮駅から320mの神山1丁目が坪72.7万円、木曽川駅から4.5kmの浅井町大野が坪13.8万円で、約5.3倍の差になります。

50坪の土地を買うとすると、神山1丁目なら土地代だけで約3,640万円、浅井町大野なら約690万円という計算になります。この差が、そのまま「建物にいくらかけられるか」の差になります。

なお、地価には公示地価のほかに路線価や民間集計の数字もあり、系統が違うと同じ場所でも金額が変わります。この記事の数字はすべて公示地価でそろえています。

平坦な地形が「分譲地にしやすい土地」を増やしている

もうひとつの要因が地形です。一宮市は木曽川がつくった平野の上にあり、市内に丘陵地がほとんどありません。造成工事の難易度が低いため、広い農地を数区画に分割して分譲する事業が成立しやすくなります。

宅地造成に手間がかかる丘陵地では建売の供給が限られますが、一宮のように平坦で形の整った土地が多い地域では、開発業者にとって事業を組みやすい条件がそろいます。

ただし平坦であることは、裏返せば雨水がたまりやすいということでもあります。一宮市には過去6回の浸水実績があり、市内中心部から南西部にかけては液状化危険度が「極めて高い」と評価されている地域もあります。安い土地を選ぶときほど、この確認が要ります。くわしくは一宮市のハザードマップの見かたをご覧ください。

つまり一宮市で建売が多いのは「たまたま」ではなく、郊外の地価が抑えられていることと平坦で造成しやすいことという2つの条件から、そういう市場構造ができているということです。

建売と注文住宅の違い|費用構造・自由度・入居時期

建売住宅と注文住宅は、「良い・悪い」で判断するべきものではなく、費用の出現方法、生活空間を自分で決められる自由度、そして新しい家に住み始めるまでの時間が異なります。その違いを理解することが、自分たちに合った選択をする第一歩です。

費用構造の見え方の違い

建売住宅を購入する場合、総額はあらかじめ決まっています。価格は既に建設済みか、建設途中の時点で提示されており、購入判断時に全体の資金計画を立てることができます。一方、注文住宅の場合は異なります。

土地の購入費、建物の本体工事費、設計料、外構工事費、各種手数料など、複数の項目を積み上げて総額を算出します。どこまで追加工事を含めるかで金額が変動するため、最終的な総額が定まるまでに時間がかかることもあります。

間取りや仕様を決める自由度

建売住宅では、間取りと仕様はすでに決定済みです。壁紙の色、床材、キッチンの型番など、細部まで固定されています。

ただし、購入前であれば建設途中の段階で一部の仕様変更に対応するメーカーもあります。注文住宅の場合、間取りから素材選びまで、ほぼすべての要素を自分たちの好みに合わせて設計できます。「この部屋はこうしたい」という具体的なイメージがあれば、それを実現する可能性が高まります。

入居までの期間

建売住宅では、既に完成しているか数ヶ月以内の完成予定であるため、契約から入居まで3ヶ月から6ヶ月程度が目安です。

急いで新しい家に住みたい場合には、建売が現実的な選択肢になります。注文住宅の場合、ニッケンホームの場合、ご相談から完成まで12か月ほどが目安です。設計の内容によってはさらに時間がかかります。仮住まいの費用や引越しのスケジュール調整も含めて検討が必要です。

どちらの道を選ぶか

新居に引っ越すまでの時間を優先したい、手続きをシンプルに進めたいという場合は、建売住宅が合致しやすい選択です。

一方、家族の生活スタイルや長期的な住み心地にこだわりたい、特定の性能基準を満たすことを重視したいという場合は、注文住宅の検討に進む価値があります。一宮市の地価水準であれば、両方の選択肢が現実的に成立するため、急ぎ度とこだわり度のバランスを考えて判断することができます。

項目

建売住宅

注文住宅

総額の確定時期

購入検討時点

設計完了時点

間取りと仕様

固定済み

カスタマイズ可能

入居までの期間

3〜6ヶ月

12ヶ月ほど

向いている人

急ぎ・シンプル重視

こだわり・性能重視

 

建売を検討するときの確認リスト|土地と性能の5点(「なぜ」と「どこで」で判断する)

建売住宅を選ぶ際、物件そのものの見た目や価格だけで判断するのは危険です。購入後に後悔しないために、必ず確認すべき5つのポイントがあります。各項目について「なぜそれを確認するのか」「実際にどこで確認するのか」を明確に持つことが、判断の質を高めます。

①災害リスク:ハザードマップと液状化リスクで浸水・地震の双方を見る

なぜ確認するか:一宮市は平坦な地形で雨水が溜まりやすく、過去6回の浸水実績があります。また、市内中心部から南西部にかけて液状化危険度が「極めて高い」と評価されている地域もあります。「安いから」という理由だけで災害リスクの高い場所を選ぶと、20年単位の住み続けの中で大きな後悔につながります。

どこで確認するか:一宮市の公式ハザードマップは「138マップ」で住所単位の確認ができます。

ここで浸水想定深さと避難所までの距離を見ること。加えて「一宮防災ハンドブック」で液状化危険度マップも確認しましょう。注記にあるとおり「指定範囲外でも地形条件により浸水する可能性がある」ため、地図で色がついていない場所でも現地で周辺の地形を観察することが大切です。

②生活環境:学区・通学路・買い物動線を「朝と休日の両時間帯」で歩く

なぜ確認するか:子どもの通学時間、親の日常の買い物利便、駅への動線は、その土地での生活満足度を大きく左右します。学区によって通学距離が20分変わることもあります。また、不動産広告では「駅から◎◎分」と書かれますが、それは信号待ちを含まない実測値でないことがほとんどです。

どこで確認するか:候補地を「平日の朝7時半」と「休日の午後」の両方で歩いてください。平日朝なら通学児童の列や踏切の混雑が見え、休日なら公園に子どもがいるか、スーパーの混み方はどうかという生活の解像度が上がります。Googleマップの「ルート検索」で信号待ち含めた実測時間も確認できます。学区は一宮市役所のウェブサイトで確認可能(隣接校選択制で入学時に限り隣接学区を選べるルールもあります)。

③性能を数値で見る:断熱等級・C値・耐震等級の3つの具体値をカタログから引き出す

なぜ確認するか:一宮市は夏の気温が高く、冬は「伊吹おろし」という北西からの冷たい風が吹きます。この気候では、優れた断熱性能と気密性があれば、冷暖房に頼る時間を減らし、光熱費を大幅に削減できます。逆に性能が低い家では、毎月の生活費が増す結果につながります。「断熱性が高い」という言葉だけでは何の根拠もありません。

どこで確認するか:建売のカタログやスペック表を開き、以下3つの数値が明記されているか確認します。①「断熱等性能等級」(1〜7の7段階。等級4が省エネ基準、等級5がZEH水準)、②「C値」(小さいほど隙間が少ない。法令の基準値がないので、会社ごとの基準と実測の有無を聞く)、③「耐震等級」(1〜3の3段階。等級3は等級1の1.5倍、等級2は1.25倍)。数値が書かれていなければ、営業に「C値はいくつですか」「断熱等性能等級は何級ですか」と具体的に尋ねましょう。明確な答えが返ってこない場合は、その家の性能管理がずさんである可能性が高いです。

④購入後のサポート体制:アフターメンテナンスの仕組みを契約前に書面で確認する

なぜ確認するか:新築時から10年、20年、30年と長く住み続ける中で、建物に不具合が生じることは避けられません。その時に「対応してくれるメーカーが存在するか」「修理費用はいくらか」という見通しが、長期的な家計計画を大きく左右します。

どこで確認するか:建売メーカーに「定期検査の回数・タイミング」「各検査は無償か有償か」「修理が必要になった場合の対応」を書面で提示してもらいましょう。定期検査の時期も回数も会社ごとに違います。口約束ではなく、書面で残してもらってください。実際に同じメーカーから購入した人の評判(SNS・ブログ・口コミサイト)も参考になります。アフターサービスの有無が、20年単位では大きな金額差になります。

⑤相場との比較:周辺地価と同じ立地での注文住宅総額を並べて見る

なぜ確認するか:同じ総予算でも、建売を選ぶか注文を選ぶかで得られる「自由度」が異なります。また「相場より極端に安い物件」には、その理由が必ず存在します。見落とされやすい問題(日当たり・騒音源・液状化リスク)が隠れていることもあります。

どこで確認するか:周辺の他の建売物件(3~5件)と、似た立地で注文住宅を建てた場合の総額(土地代+建物工事費+設計料+外構)を並べて比較します。ポータルサイト(SUUMO・アットホーム)で周辺相場を確認し、土地坪単価の推定から建物工事費の概算を逆算することで、相場水準の総額が把握できます。相場より1,000万円以上安い物件の場合は、営業に「この物件が相場より安い理由は何か」を直接質問することが大切です。

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性能の見方|断熱・気密・耐震の3つを、制度の言葉で確かめる

「高性能な家」という言葉は、売り手が自由に使えます。自分たちで判断するには、制度で決まっている言葉と数値に置き換えて聞くのがいちばん早い方法です。見るのは3つだけです。

カタログで確かめる3つの数値と、聞くべきこと

断熱

断熱等性能等級
1〜7の7段階

等級4 = 省エネ基準

等級5がZEH水準。その上に等級6・7がある

気密

C値
法令の基準は無い

会社ごとの基準を聞く

数字が小さいほど隙間が少ない。ニッケンホームの基準は0.5以下

耐震

耐震等級
1〜3の3段階

等級3 = 等級1の1.5倍

等級2は1.25倍。告示で倍率が決まっている

2025年4月から、すべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務になりました。等級4は「満たして当然」の水準です

※出典:国土交通省告示「日本住宅性能表示基準」(耐震等級の倍率)、国土交通省「建築物省エネ法のページ」(2025年4月からの適合義務化)、国土交通省「住宅性能表示制度の見直しについて」(断熱等性能等級6・7の創設)。
※C値は現行の省エネ基準に基準値がありません。会社ごとの自主基準になります。

断熱等性能等級——いまは7段階ある

断熱性能は「断熱等性能等級」という等級で表されます。壁・屋根・床・窓などから、どれだけ熱が逃げるか(入ってくるか)の指標です。

かつては等級4が最高でしたが、現在は等級1から等級7までの7段階です。等級4が省エネ基準の水準、等級5がZEH(ゼッチ)水準で、その上に等級6と等級7があります。等級6・7は、暖冷房に使うエネルギーを等級4からそれぞれ概ね30%・40%減らす水準を目安に設定されたものです。

そして2025年4月から、規模や用途を問わずすべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務づけられました。つまり等級4は「満たしていて当然」の水準です。建売のカタログに「断熱等級4」とだけ書いてあるなら、それは法律の最低ラインを満たしているという意味になります。

一宮市は夏の気温が高く、冬は伊吹おろしという北西からの冷たい風が吹きます。冷暖房に頼る時間が長くなる地域なので、等級4で止めずに、等級5以上を検討する価値があります。

C値——法律の基準がないので、会社の基準を聞く

C値は気密性能を表す数値です。家全体の隙間の合計を延床面積で割った値で、単位は㎝²/㎡。数字が小さいほど隙間が少ないことを意味します。

ここで大事なのは、現行の省エネ基準にC値の基準値が無いということです。かつての次世代省エネ基準には地域ごとの気密基準がありましたが、現行の基準には引き継がれていません。つまりC値は法律で決まった数字ではなく、会社ごとの自主基準です。

だからこそ「C値はいくつですか」「それは全棟で実測していますか」と聞く意味があります。基準を持っていない会社、実測していない会社では、数字そのものが出てきません。参考までに、ニッケンホームの基準はC値0.5以下です。

気密が低い家では、壁の中を通って外の空気が入り、冷暖房の効きが落ちます。換気設備も設計どおりに働きません。冬に窓が曇る、結露するという悩みは、気密の不足が関わっていることが多いものです。

耐震等級——倍率が告示で決まっている

耐震等級は、地震に対する建物の強さを3段階で表したものです。国土交通省の告示(日本住宅性能表示基準)で、倍率まで決まっています。

等級 告示の内容(構造躯体の倒壊等防止)
等級3 極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力の1.5倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度
等級2 同じ地震力の1.25倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度
等級1 同じ地震力に対して倒壊、崩壊等しない程度(建築基準法の水準)

※出典:国土交通省告示「日本住宅性能表示基準」。地震による力は建築基準法施行令第88条第3項に定めるものです。
※「耐震等級」には構造躯体の倒壊等防止と損傷防止の2種類があり、一般に「耐震等級3」というときは倒壊等防止のほうを指します。

等級1は建築基準法を満たす水準で、新築であれば当然クリアしています。差が出るのは等級2と等級3です。長く住む家なので、等級3を基準に検討しておくと、地震のあとの住み続けやすさが変わります。

数値が出てこないときは、それ自体が答えになる

営業担当に「断熱等性能等級は何級ですか」「C値はいくつで、実測していますか」「耐震等級はいくつですか」と聞いてみてください。この3つは、設計して建てている会社なら必ず把握している数値です。

明確な答えが返ってこない、カタログにも書いていないという場合、その家の性能が管理されていない可能性があります。自分たちが住む家の性能を数値で知ることは、買う側の当然の権利です。

注文住宅という選択肢|土地にいくら置くかで、建物にかけられる額が変わる

一宮市の住宅地の平均は坪30.0万円です。この水準だからこそ、建売と注文住宅の総額が近づき、「どちらを選ぶか」が実際の選択になります。決め手になるのは、総額そのものよりお金をどこに置くかです。

予算配分の3パターン

同じ総予算でも、お金の置き場所が変わります

建売

総額が先に決まる
土地と建物は分けられない

入居まで3〜6か月

間取り・仕様・性能は固定済み。手続きはシンプル

駅近の注文

土地の比重が大きい
神山1丁目 坪72.7万円

建物に回せる額が絞られる

通勤の時間を最優先する配分

郊外の注文

建物に回せる
浅井町大野 坪13.8万円

性能・間取り・外構に配分

そのかわり設計と施工の期間が要る

同じ市内でも、土地にいくら置くかで建物にかけられる額が変わります

※坪単価は2026年公示地価の標準地の値です(一宮市の公式PDF)。実際の売買価格ではありません。

建売を選ぶ場合、土地と建物の内訳は分けられず、総額が最初に確定します。完成しているぶん入居までが早く、手続きもシンプルです。そのかわり間取り・仕様・性能は固定されています。

駅に近い土地で注文住宅を建てる場合は、土地代の比重が大きくなり、建物に回せる額が絞られます。通勤や駅までの時間を最優先する配分です。郊外の土地を選べば、土地で抑えたぶんを建物の性能・間取り・外構に回せます。そのかわり、設計と施工の期間が必要になります。

1章で見たとおり、同じ一宮市内でも戸建ての敷地の坪単価は約5.3倍ひらきます。50坪で考えると、神山1丁目なら土地代だけで約3,640万円、浅井町大野なら約690万円です。この差がそのまま「建物にかけられる額」になります。具体的な金額は、土地の候補が出た段階で見積もりを取って比べてください。

同じ総額でも、決められる範囲が違う

決めごと 建売 注文住宅
土地と建物 セットで決まっている 別々に検討できる
間取り・仕様 固定済み(建設途中なら一部変更に応じる会社もある) 指定できる
性能 できあがっている。カタログの数値で確かめる 断熱等性能等級・C値・耐震等級を指定できる
総額が決まる時期 購入を検討する時点 設計が固まった時点
入居まで 契約から3〜6か月が目安 ニッケンホームの場合、ご相談から完成まで12か月ほど

土地を抑えたぶんを建物に回すなら、行き先は性能です。断熱等性能等級を等級5以上にする、C値の基準を持っている会社を選ぶ、耐震等級3で設計する——この3つは、住みはじめてから変えるのが難しい部分です。逆に、駅に近い建売を選べば、手続きがシンプルで入居も早いという利点があります。どちらが良いかではなく、どちらの構造が自分たちに合うかです。

迷ったら、両方を同じ週に見に行く価値がある

建売の物件見学と注文住宅のモデルハウス見学を、同じ週に並行して実施することをお勧めします。

建売の見学で確認できること

  • 「完成した家」の具体的な間取りと仕上がり
  • 実際の収納の大きさ、動線の効率性
  • 周辺の日当たり、景観、近隣状況

注文住宅のモデルハウス見学で確認できること

  • 「可能な選択肢」と「実装方法」
  • 性能に配分した建物(高断熱・高気密)がどう違うか、体感で理解
  • 自分たちが優先したいポイント(デザイン vs 性能 vs 間取り自由度)が明確化

二つの異なる家を見比べることで、「自分たちの家選びで本当に大切なことは何か」が浮かび上がります。建売は「即座性」「シンプルさ」が強み。注文は「自由度」「性能指定」が強み。どちらが合うかは、あなたの生活スタイルと優先順位で決まります。

土地から探す場合の進め方は一宮市の土地探しに、建売も含めた新築一戸建ての選び方は一宮市の新築一戸建てにまとめています。

一宮市で、土地の条件に合わせて建てた2棟

建売は、完成した家のなかから選びます。注文住宅は、土地の条件から決めていきます。同じ一宮市で、敷地の広さがまったく違う2棟を並べます。

施工事例

一宮市K様邸|敷地74坪。エアコン1台で家じゅうを冷暖房する

白と紺のツートンで、2階にインナーバルコニーのある2階建ての外観

畳コーナーとソファを置いたリビングダイニング

完成した家を見て回っていると、「この家、夏と冬はどうなんだろう」だけが確かめられないまま残ります。この家は、自然の光と風を活かすパッシブデザインと、エアコン1台で家じゅうを冷暖房するパッシブ冷暖を中心に設計しました。性能にお金を置いた家がどう暮らせるかは、年間光熱費の差に出ています。広いインナーバルコニーは、周りを気にせず使える外の居場所です。

建築種別 2階建て
延床面積 37.10坪
敷地面積 74.03坪
年間光熱費 32.20万円 → 18.68万円(42%減)

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施工事例

一宮市S様邸|敷地121坪に、あえて22坪の平屋

屋根いっぱいに太陽光パネルを載せ、デッキと芝生の庭がある平屋の外観

勾配天井を木目で仕上げた、キッチンから続くリビングダイニング

敷地が広ければ大きな家を建てるもの、と考えると選択肢を1つ見落とします。この家は121坪の敷地に、延床22坪の平屋を建てました。お子さんが独立したご夫婦の住まいで、建物はコンパクトにするかわりに、手芸のワークスペースや家庭菜園の道具置き場といった、これからの時間に使う場所を確保しています。建売では出会いにくい組み合わせです。

建築種別 平屋
延床面積 22.00坪
敷地面積 120.95坪
年間光熱費 22.61万円 → 14.70万円(35%減)

この事例を見る  ›

一宮で実物を見る — 今伊勢町の2階建てモデルハウス

建売と注文のどちらが向いているかは、完成した家を見てから決めるほうが早いです。今伊勢町本神戸の2階建てモデルハウスは、注文で建てた一棟です。

モデルハウス

一宮市今伊勢町モデルハウス(2階建て)|注文で建てると、どこが変わるか

一宮市今伊勢町モデルハウス(2階建て)の土間と小上がり。右手の大きな窓の外に植栽があり、ベンチに親子が座っている

同じモデルハウスの出窓。木の枠のベンチが窓辺に続き、手前にダイニングテーブルが置かれている

1枚目は土間と小上がり、2枚目は窓辺の出窓です。どちらも間取りを決める段階でしか作れない場所で、完成した家から選ぶのとは順番が違います。断熱等性能等級や耐震等級も、実物の前でなら具体的に聞けます。

建築種別 2階建て
所在地 一宮市今伊勢町本神戸
見学 完全予約制・1組ずつ60〜90分 / 10:00〜17:00・水曜定休

このモデルハウスを見る  ›

まとめ|「どちらが良いか」ではなく「わが家はどちらの構造が合うか」

本記事では、一宮市の建売住宅を検討する前に確認すべきことについてご紹介してきました。ポイントとしては、以下の3つです。

  • 建売と注文は優劣ではなく、費用の見え方・自由度・入居時期の構造が違う
  • 建売を選ぶ場合も、ハザード・学区・性能数値・アフター・相場比較の5確認は必須
  • 一宮の地価なら両方が候補になる。建売の見学と注文のモデルハウスを同じ週に見て比べるのが早い

注文住宅との違いもふまえ、ぜひ検討してみてください。

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一宮で45年以上、3,800棟以上。
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お名前も、ご住所もいりません。