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一宮市の分譲地|市街化区域の29%は区画整理。1区画160㎡・道路6mという決まりから見る選び方

COLUMN

一宮市の家づくり住環境

土地を探し始めると、「分譲地」と書かれた看板やチラシを見かけるようになります。区画が並んでいて、道路が新しく、更地のまま売られている土地です。

分譲地は、どこにでもできるわけではありません。一宮市では、市街化区域の約29%が土地区画整理でつくられた土地です。そして新しく分譲地をつくるときは、市の許可が必要で、区画の広さや道路の幅、公園の面積まで基準が決まっています。

この記事では、一宮市の公式資料をもとに、分譲地がどこにできるのか、何が決まっているのかを整理します。決まりを知っておくと、現地を見に行ったときに確かめるところがはっきりします。

一宮の宅地はどうつくられてきたか|市街化区域の29%が区画整理

14地区・約1,111ha、市街化区域の約29%

一宮市の土地区画整理事業は、昭和21年に戦災を受けた市街地の復興から始まりました。既成市街地は市が、新しい市街地は組合が整備してきています。

市の説明によると、これまでに14地区が完了し、施行済みの合計面積は約1,111haです。一宮市の市街化区域は3,802haなので、約29%が区画整理で整備されたことになります。

一宮市の市街化区域 3,802ha のうち、区画整理で整備された面積

区画整理 約29%
それ以外
約1,111ha・14地区3,802ha のうちの残り

いまの一宮の住宅地のおよそ3割は、区画整理でつくられた土地です

※出典:一宮市|「一宮市の土地区画整理事業」
割合は市の記載による

いま住宅が並んでいる場所のうち、およそ3割は、もともとこの仕組みでつくられた土地だということです。

区画整理とは何をすることか

市は、土地区画整理事業を次のように説明しています。土地の所有者などと市が一緒にまちづくりの計画をつくり、その計画に沿って、公共用地や保留地を公平に出し合い(減歩)、個々の土地が利用しやすいように再配置(換地)して、公共施設の整備と宅地の利用増進を進める手法です。

市の用語解説では、それぞれ次のように説明されています。

用語

市の説明

公共用地

道路、公園、水路等の公共施設にあてる土地

保留地

整備された土地のうち、一部を換地として定めず、事業費の一部に充てるために売却したり、一定の目的に使用するために施行者が確保する土地

減歩

事業に必要な土地を、地区内の地権者から利用増進に見合った分だけ公平に出し合う仕組み。個々の土地の地積が減ること

換地

公共施設の整備と同時に、土地利用がしやすいように宅地を再配置したもの。もとの宅地についての権利がそのまま移る

※出典:一宮市|「一宮市の土地区画整理事業」

区画整理は、公共施設の整備と宅地の再配置を同時に行う手法です。市の説明では、道路・公園・水路などにあてる土地を地権者が公平に出し合う形になります。

いま進んでいるのは一宮外崎地区

一宮市は、一宮外崎土地区画整理事業の事業計画の決定公告を、平成31年3月25日に行っています。

この公告に伴い、施行地区の中で建築などをしようとする場合は、土地区画整理法第76条に基づく許可が必要です。

※出典:一宮市|「一宮市の土地区画整理事業」

区画整理が進んでいる地区の土地を検討するときは、この許可が必要かどうかを、市の窓口で確かめておくことになります。

分譲地をつくるとき、市の許可が要る|500㎡ルール

市街化区域では、500㎡以上で許可が必要

分譲地は、広い土地を区画に分けて、道路を入れてつくられます。この「土地の区画形質の変更」が開発行為で、着手する前に市長の許可が必要です(都市計画法第29条)。

ただし、すべてに許可が要るわけではありません。一宮市は、市街化区域内で開発区域の面積が500㎡未満の開発行為は、許可を要しないと案内しています。

市の技術基準では、許可が必要になる場合がもう少し具体的に書かれています。

市街化区域:土地の区画形質の変更(敷地面積500㎡以上かつ敷地内切盛平均1m以上、開発道路の新設、既設道路・水路の付け替えなど)を行う場合。

※出典:一宮市|「一宮市開発許可技術基準」(令和8年1月)

「区画の変更」は、道路を入れて分けること

ここでいう区画の変更が何を指すのかも、市が定義しています。

区画の変更とは、道路等の公共施設を設けて土地を物理的に区分することをいいます。単なる分合筆(権利区画の変更)は対象としません。

※出典:一宮市|「都市計画法に基づく開発許可」

つまり、登記の上で土地を分けただけなら開発行為には当たらず、道路を新しく入れて区画に分けると開発行為になります。看板が出ている分譲地でも、道路を入れてつくられたものと、もともとの敷地を分けただけのものがあります。

市街化調整区域では、面積の条件がない

同じ許可の基準でも、市街化調整区域では条件が違います。技術基準では、調整区域は「土地の区画形質の変更(敷地内切盛平均1m以上、開発道路の新設、既設道路・水路の付け替えなど)を行う場合」とされていて、500㎡という面積の条件がありません。

一宮市は、都市計画区域11,382haのうち7,580ha(66.6%)が市街化調整区域です。市は調整区域について「市街化を抑制すべき区域として指定されており、土地利用に関して厳しい私権の制限が加わっています」と説明していて、建築物を建てるには都市計画法に基づく許可が必要です。

※出典:一宮市|「一宮市開発許可技術基準」(令和8年1月)/「市街化調整区域には自由に家が建てられないと聞きました。」/「1.市街化区域及び市街化調整区域」

分譲地として売られている土地は、基本的に市街化区域にあります。ただし、安い土地を見つけたときは、その土地がどちらの区域にあるかを先に確かめる必要があります。

相談と申請の窓口

開発の相談と許可の申請は、市の建築指導課開発審査グループが窓口です。市は、窓口での開発相談・許可申請の受付時間を午前9時から12時までとしています。

※出典:一宮市|「都市計画法に基づく開発許可」

許可制度の目的は「良質な宅地水準の確保」

市の「開発許可申請の手引き」は、制度の目的を次のように書いています。

都市計画区域内の開発行為について公共施設や排水設備等必要な施設の整備を義務付けるなど良質な宅地水準を確保するための制度です

※出典:一宮市|「開発許可申請の手引き」(2026年9月)

分譲地の道路や排水の設備が整っているのは、この制度で整備が義務づけられているからです。

分譲地の決まりは数字で決まっている|1区画160㎡・道路6m・公園3%

一宮市の開発許可技術基準には、区画の広さや道路の幅が、数字で書かれています。

一宮市の開発許可技術基準で決まっていること(規定値)

1区画の広さ

160 ㎡以上

約48坪以上

やむを得ない場合の特例値は120㎡

前の道路の幅

6 m以上

住宅用の開発

条件を満たす場合の特例値は4m

公園

3 %以上

0.3ha以上の開発

0.3〜1ha未満は150㎡以上を1か所以上

分譲地の区画の広さも、道路の幅も、市の基準で下限が決まっています

※出典:一宮市|「一宮市開発許可技術基準」(令和8年1月)
いずれも規定値。条件を満たす場合は特例値まで縮小できます

1区画は160㎡(約48坪)以上が規定値

戸建住宅地の一画地の面積は、160㎡以上が規定値です。坪に直すと約48坪です。

ただし、開発規模が0.3ha未満の場合や、0.3ha以上でも全体の区画数の2割を超えない区画については、やむを得ない場合に120㎡まで縮小できると定められています。また、通路の部分や道路後退の部分を除いた有効宅地の面積は、100㎡以上とされています。

※出典:一宮市|「一宮市開発許可技術基準」2-(3) 一画地の面積

つまり、分譲地の1区画の広さには、市の基準による下限があります。

看板の面積と、実際に使える面積

技術基準には、面積についてもうひとつの決まりがあります。通路の部分や道路後退の部分を除いた有効宅地の面積が、160㎡の区画では100㎡以上とされています。

旗竿状の区画では、道路につながる細長い通路の部分が面積に含まれます。同じ「160㎡」でも、建物を建てられる部分の広さは区画の形によって変わるということです。区画の図面を見るときは、面積の数字だけでなく形も見ることになります。

※出典:一宮市|「一宮市開発許可技術基準」2-(3) 一画地の面積

前の道路は6m以上が規定値

敷地が接する道路の幅は、住宅用の開発では6m以上が規定値です。

特例値は4mで、開発区域の面積が0.3ha未満の場合や、住宅目的でつくられる道路の延長が50m未満の場合などに、通行上支障がなければ縮小できます。

※出典:一宮市|「一宮市開発許可技術基準」3-(1) 敷地が接する道路の幅員

規定値と特例値があるということは、同じ分譲地でも6mの道路に面した区画と、4mの道路に面した区画がありうるということです。現地では前の道路が何mかを確かめておきます。

街区は長辺80〜120m、短辺20〜50mが標準

区画が並ぶ「街区」の形にも標準があります。戸建住宅地では、長辺80m以上120m以下、短辺20m以上50m以下が標準です。

技術基準には、これが短辺に2区画、長辺に5〜8区画を想定した形状だという説明もあります。

※出典:一宮市|「一宮市開発許可技術基準」2-(1) 街区の形態

公園は0.3ha以上の開発で3%以上

開発区域が0.3ha(3,000㎡)以上になると、公園などの整備が必要になります。面積は開発区域の3%以上で、0.3ha以上1ha未満なら150㎡以上のものを1か所以上とされています。

公園の誘致距離も決まっています。幼児公園は0.03ha以上で150m以下、街区公園は0.25ha以上で250m以下です。この誘致距離は公園どうしの距離ではなく、各敷地から公園に至るまでの距離です。

※出典:一宮市|「一宮市開発許可技術基準」4-(1) 公園等の面積・4-(2) 公園の誘致距離

裏を返すと、0.3haに満たない小さな分譲地には、公園をつくる義務はありません。子どもの遊び場を近くに求めるなら、分譲地の中ではなく周りの公園までの距離を見ることになります。

公園をつくる義務には緩和の規定もあります。開発区域の周りに既にある公園について、各敷地からの誘致距離がおおむね150m以内で、その公園を利用する区域の面積の3%以上の広さがあり、居住者が支障なく利用できる場合には、公園等の面積を減らしたり、なくしたりできるとされています。

※出典:一宮市|「一宮市開発許可技術基準」4-(1) 公園等の面積

同じ一宮でも、土地の値段は場所で5倍以上違う

住宅地46地点の公示地価

一宮市は、国の地価公示のうち市内の地点を抜き出したPDFを公表しています。令和8年の調査で、用途区分が住宅地の標準地は46地点あります。

現況が戸建て住宅・市街化区域の標準地(令和8年公示地価)坪単価と48坪あたりの土地代
神山1丁目(尾張一宮駅320m)約72.7万円/48坪で約3,490万円
住宅地46地点の平均約30.0万円/48坪で約1,440万円
浅井町大野(木曽川駅4,500m)約13.8万円/48坪で約662万円

同じ一宮市でも、住宅地の坪単価は約5.3倍ちがいます

標準地

現況

駅距離

坪単価

48坪での土地代

神山1丁目1番31

戸建て住宅

尾張一宮駅 320m

約72.7万円

約3,490万円

46地点の平均

—

—

約30.0万円

約1,440万円

浅井町大野字北一色20番

戸建て住宅

木曽川駅 4,500m

約13.8万円

約662万円

※出典:一宮市|「一宮市内の 令和8年 地価公示」
坪単価は1坪=3.30579㎡で換算。48坪での土地代は坪単価×48で計算した目安で、実際の分譲地の価格とは異なります

比べるなら、同じ条件の地点どうしで

住宅地の46地点には、高層の共同住宅が建っている地点や、市街化調整区域の地点も含まれます。いちばん高い地点は栄1丁目の坪約110.7万円(共同住宅の敷地)、いちばん安い地点は蓮池の坪約12.8万円(市街化調整区域)で、この2つを比べると約8.6倍になります。

ただし、戸建ての土地を探している人にとって現実に選べるのは、市街化区域にある戸建て住宅の地点です。上の表の神山1丁目と浅井町大野は、どちらも現況が戸建て住宅で市街化区域にあります。この2地点で比べると、差は約5.3倍です。

なお、市のPDFには「地価公示価格は近隣地域の標準的な価格水準を示すもので、最高又は最低の地価を示すものではありません」という注記があります。ここで挙げているのは、あくまで標準地の中で最も高い地点・安い地点です。

※出典:一宮市|「一宮市内の 令和8年 地価公示」

駅まで320mか、4.5kmか

神山1丁目は尾張一宮駅から320m、浅井町大野は木曽川駅から4,500mです。同じ市内の戸建て住宅地でも、駅までの距離がこれだけ違うと、坪単価は約5.3倍変わります。

市平均の坪30.0万円は、この幅の中の1点にすぎません。分譲地を「48坪でいくら」で比べる前に、その場所がこの幅のどのあたりかを見ることになります。

分譲地を見に行く前に確かめること

前の道路の幅

規定値は6m、特例値は4mです。同じ分譲地でも区画によって違うことがあるので、その区画の前の道路の幅を確かめます。

公園の位置と、敷地からの距離

公園の義務があるのは0.3ha以上の開発です。分譲地の中に公園がない場合は、周りの公園までの距離を見ます。市の基準では、幼児公園の誘致距離は150m以下、街区公園は250m以下が標準とされています。

区画の向きと、街区の中の位置

街区は短辺に2区画、長辺に5〜8区画を想定した形が標準です。同じ分譲地でも、角の区画と中ほどの区画では、接する道路の数が変わります。

ハザードマップと学区

土地が決まる前に、ハザードマップと学区も確かめておきます。読み方は一宮市のハザードマップの見方で、学区の決まり方は一宮市の学区の調べ方で整理しています。

土地の値段の見方は一宮市の土地価格、土地探しの進め方は一宮の土地探しで紹介しています。

実際に建った家|48坪より狭い敷地の2棟

分譲地の1区画の規定値は160㎡(約48坪)ですが、実際にはそれより狭い敷地の家も建っています。一宮市で建った2棟を紹介します。

施工事例

一宮市B様邸|敷地44坪、家が建て込む場所で2階にLDK

一宮市B様邸の外観。塗り壁の2階建て

周りに家が建て込んだ場所で、明るく広いリビングがほしい。この家は、LDKを2階に上げて周りの家と目線をずらすことで、それをかなえています。8帖のアウトドアリビングが、室内と外をゆるやかにつないでいます。無垢材を中心にしたやさしい色合いの内装と、塗り壁の外観を合わせました。

建築種別 2階建て
延床面積 107.59㎡(32.60坪)
敷地面積 146.76㎡(44.39坪)
年間光熱費 31.95万円 → 20.77万円(35%減)

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施工事例

一宮市H様邸|敷地32坪、インナーガレージのある3階建て

一宮市H様邸の外観。隣家が近い敷地に建つ白い3階建て

車好きのご家族の希望で、1階に広いインナーガレージを設けた3階建てです。神社の森を望む場所で、2階のリビングは緑を眺められる配置にしました。各部屋にはビビッドな色のクロスを使い分けています。敷地が限られていて上に伸ばす形でも、断熱の性能は確保できています。

建築種別 3階建て
延床面積 162.31㎡(49.0坪)
敷地面積 107.83㎡(32.6坪)
年間光熱費 29.90万円 → 18.54万円(38%減)

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※出典:ニッケンホーム|施工事例「空とつながるアウトドアリビングのある家」「インナーガレージのある狭小3階建ての家」
年間光熱費は事例ページに掲載している試算値で、一般的な省エネ基準の家との比較です。太陽光発電などの再生可能エネルギー分は除いています

B様邸の敷地は44.39坪で、延床は32.60坪です。周りに家が建て込んだ場所のため、LDKを2階に上げています。H様邸の敷地は32.6坪で、延床は49.0坪です。1階にインナーガレージを設け、上に伸ばすことで床面積を確保しています。

敷地の広さだけでは、住まいの広さは決まりません。どちらも、敷地の条件に合わせて階の使い方を変えることで、必要な広さを確保しています。

当社は1979年の創業から45年以上、3,800棟以上の住宅に関わってきました。家づくりの相談は無料で、土地の探し方やローンの組み方、間取りやデザインのことまで相談できます。

※出典:ニッケンホーム|「会社案内」「注文住宅・新築に関するQ&A」

まとめ|分譲地は「決まりを知ってから見る」

一宮市の市街化区域3,802haのうち、約29%にあたる約1,111haが区画整理で整備されてきました。新しく分譲地をつくるときは、市街化区域では500㎡以上で市の許可が必要になり、区画の広さや道路の幅、公園の面積に基準がかかります。

  • 1区画は160㎡(約48坪)以上が規定値。0.3ha未満の開発などでは120㎡まで縮小できる
  • 前の道路は6m以上が規定値。条件を満たせば4mまで縮小できる
  • 公園は0.3ha以上の開発で3%以上。それより小さい分譲地には義務がない
  • 土地の値段は、同じ一宮市で現況が戸建て住宅・市街化区域の地点どうしでも坪単価で約5.3倍違う

看板やチラシで分かるのは、広さや区画数です。そこに道路の幅、公園までの距離、区画の向きを自分で足して見ると、同じ分譲地の中でもどの区画が自分たちに合うのかが見えてきます。