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一宮市の人口の今|37万人・微減でも世帯が増え続ける理由

COLUMN

引っ越し候補の街は、まず人口を調べる。多くの方がそうすると思います。そして「一宮市は人口減少」という検索結果を見て、この街を選んで大丈夫だろうかと、少し不安になる。

統計サイトには数字が並んでいますが、その数字が自分たちの暮らしにとって何を意味するのかまでは、教えてくれません。

先に実像をお伝えします。一宮市の総人口は374,170人(2026年6月1日現在)。この5年で人口は1.9%減りましたが、世帯数は逆に3.8%増え続けています。「人口減=衰退」という単純な図式では、この街は読めません。

私たちニッケンホームは、1979年の創業から45年、この一宮で3,800棟以上の家を建ててきた会社です。45年この街の人の流れを見てきたからこそ書ける、人口統計の読み解き方をお届けします。

一宮市の人口の今 — 374,170人(2026年6月1日現在)

一宮市の総人口は、2026年6月1日現在で374,170人です。市域113.82km²に約37万人が暮らす愛知県北西部の中心都市という規模感。人口密度は1平方キロメートルあたり3,287人です。約37万人が113.82km²の市域に暮らしているという事実から、コンパクトな市域に人がまとまって住む街だということが分かります。

人口を男女別で見ると、男性182,542人・女性191,628人と、女性がやや多い構成です。世帯数は171,891世帯(2026年6月時点)で、前年から1,732世帯増えています。

注目すべきは外国人住民の数です。一宮市に暮らす外国人は10,240人にのぼり、総人口の2.7%を占めています。男性4,888人・女性5,352人と、女性の方が多い傾向が見られます。愛知県北西部という立地と、製造業が集積した工業地帯という背景が、外国人労働者の流入を促進してきました。

区分

数字

総人口

374,170人

男性

182,542人

女性

191,628人

世帯数

171,891世帯

人口密度

3,287人/km²

市域面積

113.82km²

外国人住民

10,240人(男性4,888人・女性5,352人)

※出典:一宮市|「最新の人口」

ここまでの数字から、一宮市がどの程度の「大きさ」を持っているかが分かります。37万人という規模は、愛知県内では県庁所在地の名古屋に次ぐ規模感です。この数字は一宮市が毎月公式に発表している人口統計に基づいています。市のホームページでは、毎月の人口変動がPDF・Excel形式で更新されており、最新の人口構成や世帯数の推移を確認することができます。これから家を建てるとき、「この街は人が集まる街か、それとも沈みゆく街か」という不安が浮かぶのは自然なことです。次の数字で、その答えを見ていきます。

人口は微減・世帯は増加 — 5年推移の「ねじれ」を読む

一宮市の人口は、この5年間で減り続けています。2022年から2026年にかけて、総人口は382,349人から374,170人へと7,385人減少しました。減少率は1.9%。ゆるやかですが、確かに減少が続いているというのが事実です。

ところが同じ期間に、世帯数は大きく増え続けています。2022年の164,592世帯から2026年の171,891世帯へと、6,254世帯増加(3.8%増)しました。直近1年(2025年6月〜2026年6月)だけを見ても、世帯数は1,732世帯増えています。

年度

総人口

世帯数

外国人人口

2022年

382,349人

164,592世帯

6,747人

2023年

380,201人

166,214世帯

8,104人

2024年

378,496人

168,121世帯

9,141人

2025年

376,861人

169,114世帯

9,591人

2026年

374,170人

171,891世帯

10,240人

※出典:一宮市|「人口の推移」

この「ねじれ」—— 人口は減っているのに世帯は増えている —— が読み取ることが大切です。何を意味しているのか。

人口減少は、高齢化と少子化の結果です。出生数が死亡数を下回り、子どもの人数が減ります。しかし世帯数が増え続けるのは、別の現象が起きているからです。子どもが独立して別の家を持つ、または単身で暮らす人が増える。高齢夫婦だけの世帯が増える。核家族化と少人数世帯化により、同じ人数の人口でも、より多くの「家」が必要とされるようになるわけです。

言い換えれば、人口減=住宅需要の消滅ではありません。むしろ「家の数」は必要とされ続けています。家を買いたい、新しく建てたいと考える人たちは、人口統計の数字の奥にも存在しているのです。

さらに注目すべきは外国人人口の増加です。2022年比で47.2%増と、大幅に増えています。人口全体が減る中で、外国人の数だけが増え続けている。これは一宮市への「新たな人材流入」を示しています。

 

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地区別の人口 — 最大は西成連区の約3.3万人

一宮市は行政地域を15の連区(れんく)に分割しています。「連区」とは何か。簡単に言えば、市内の生活圏・地域単位です。小学校の学区のように、市民生活の身近な「地区」として機能しています。連区ごとに商業地と住宅地の特性が異なり、人口密度も大きく変わります。つまり、「一宮市全体の人口」だけでなく、「自分たちが住む連区にどれだけ人がいるのか」を知ることが、暮らしの現実感を掴むために重要なのです。

各連区の人口分布を見ると、極めて不均等です。最大は西成連区で約33,423人。これは市全体の約9%を占めています。次点が葉栗連区の約16,035人、神山連区の約15,944人です。つまり、西成連区だけで市内人口の1割弱が集中しているのです。

連区

人口

西成連区

約33,423人

葉栗連区

約16,035人

神山連区

約15,944人

その他12連区

連区別人口として市公式で毎月公開

※出典:一宮市|「人口地域(連区)別」

こうした連区別データは、市公式サイトで定期的に更新されています。更新のペースはデータの種類で異なります。連区別の総人口・世帯数は毎月更新され、最新の状況をリアルタイムで確認できます。一方、年齢別人口統計(年代ごとの人数)は年3回(1月・4月・10月)の更新です。さらに詳しく町丁字(ちょうちょうじ)まで絞った人口統計を調べたい場合は、年2回(4月・10月)更新の町丁字別データを参照できます。

家探しの際、候補地の連区だけでなく、その連区内での人口の増減トレンド、年齢構成の偏り(子どもが多い地区か、高齢者が多い地区か)を知ることで、その地区の「リアルな生活環境」が見えてきます。駅へのアクセス、商業施設の充実度、学校の規模——こうした生活環境は、すべて連区内の人口構成に影響を受けています。別記事で詳しく解説しています学区情報と組み合わせて、実際に暮らす地区の現実感を掴むことをお勧めします。

子どもの数 — 小学生は約1.9万人・全国と同じ減少傾向

子育て世帯にとって最も気になる数字が「子どもは何人いるのか」です。一宮市の小学生(公立小学校に通う児童)は、2025年5月1日現在で18,916人です。42校に分かれ、807学級を構成しています。

この数字が示すのは、一校あたり平均450人、1学級あたり平均23.4人という規模感。つまり、おおむね中規模校が大多数を占めており、極端に大きな校舎や、逆にほぼ廃校状態という小さな学校は少ない—— ということになります。

ただし、ここにも「減少」の波が押し寄せています。前年(2024年5月)の児童数は19,732人でしたから、1年で4.1%の減少です。これは全国の傾向と同じです。少子化により、毎年子どもの数は確実に減り続けています。

項目

数字

小学校総数

42校

総児童数

18,916人(2025年5月1日現在)

前年比

-4.1%(前年19,732人)

総学級数

807学級

平均学級規模

23.4人/学級

平均校規模

450人/校

※出典:一宮市|「一宮市立小・中学校の児童・生徒数及び学級数」

学校側も対応を進めています。一宮市は「シン学校プロジェクト」として、2023年6月から学校再編の検討を開始しました。市立小中学校61校中24校が統廃合や複合施設化の対象となっており、基本方針は2024年3月に公表されています。背景にあるのは校舎の老朽化です。築40年以上の校舎が市内全体の約9割を占めており、築60年以上という古い施設も23校にのぼります。

学校統廃合は全国で進む共通課題です。一宮市も例外ではありません。だからこそ、家探しの段階で「今の学区がこの先どう変わるのか」を見据える必要があります。市公式の統廃合情報や教育部総務課への問い合わせで、将来の学区変更リスクを事前に把握することを強くお勧めします。

将来推計と正直な見通し — 減るのは確か・場所で差が出る

ここまでのデータから分かったのは、「一宮市の人口は減り続ける」という事実です。では将来はどうなるのか。

国立社会保障・人口問題研究所による公式推計によれば、2020年から2035年の15年間で、一宮市の人口は-7.3%減少すると予測されています。この15年という長期スパンの推計は、少子化と高齢化のトレンドから導き出された数字です。減少傾向が続く前提で考えるのが現実的です。

しかし同時に、市内の「場所」による差が拡大している、という事実も見落とせません。尾張一宮駅周辺などの駅前・商業地への集約化が進む一方で、郊外部との地価格差は拡大傾向にあります。興味深いのは、この差が数字として明確に現れているということです。駅前などの商業地の地価は年4.54%上昇しているのに対し、郊外の住宅地は年2.53%の上昇に留まっています。この差の大きさから、市場の需要が駅前とその周辺に集まりつつあり、同じ一宮市内でも、エリアによって将来の価値の動き方が異なる可能性が伺えます。

住宅地についても同様です。駅近物件と郊外の価格格差が大きくなり、「人気エリア」と「停滞エリア」の二極化が進行中です。人口減少時代だからこそ、家探しの視点は変わります。「一宮市全体が衰退しているのではないか」という漠然とした不安ではなく、「一宮市のどのエリアに住むか」という場所選びが、資産価値・暮らしの質・生活動線・子どもの教育環境のすべてに影響を与えるようになります。駅へのアクセス、商業施設との距離、学校の将来計画——こうした「具体的な場所の要素」が、家探しの本来の主題になっていくわけです。

別記事で土地探しのポイントを詳しく解説しています。人口統計の数字を読み取ったら、次は「あなたが暮らす場所」の現実を見つめることが大切です。

まとめ|「人口減=衰退」ではない。数字は構造で読む

これまでの内容をまとめると、

 

  • 総人口374,170人(2026年6月1日)。5年で人口1.9%減・世帯数は3.8%増という「ねじれ」
  • 人がいるのは西成・葉栗・神山などの連区。分布は市公式で毎月更新される
  • 将来は場所で差が出る(駅前集約・二極化)。街全体より「どのエリアか」が本題

 

となります。

一宮の住みやすさ全体や、土地の探し方は、別の記事で詳しく解説しています。

 

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