
ダイニング設計室から、親御さまへ
子どもが、まだ小さかったころ。
はじめてスプーンをにぎった日。
ごはんをポロポロこぼしながらも、
「じぶんで!」って言う顔が、
なんだか誇らしくて、
つい「えらいねえ」って、ほめましたね。
それから、どんどん成長して。
おしゃべりが上手になって、
「今日ね、学校でさ…」なんて話してくれるようになった。
ふつうのごはんの時間が、
いつの間にか、
その日の冒険を聞く時間になっていった。
ダイニングは、ただの食卓じゃなくて、
家族が顔を合わせて、
「大きくなったね」を実感できる場所なのかもしれません。
だからこそ、
ごはんがおいしくなる光の入り方とか、
自然と会話が弾む距離感とか、
座る場所によって見える景色とか。
そういう「目には見えにくい大切なこと」を、
ちゃんと設計したいと思っています。
ニッケンホーム ダイニング設計室

ダイニング設計室が考える、
理想のダイニング設計
ダイニングは、ただ食事をする場所ではありません。
家族が顔を合わせ、今日あったことを話し、笑い、時には真剣に語り合う場所です。
子どもが勉強をしたり、親がコーヒーを飲みながらホッと一息ついたり、そんなふうに、暮らしの中心になっていくのが、ダイニングという空間。
だからこそ、ダイニングは「居心地の良さ」を考えて設計することが大切です。
家族が自然と集まりたくなる場所は、生活の質そのものを高めてくれます。
快適なダイニングのための設計要素 DINING ROOM
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動線の設計
キッチンとのつながりを意識したレイアウトが重要です。
料理を運びやすく、片付けもスムーズにできるように、
「キッチン→ダイニング→リビング」の流れを考えた設計を。
たとえば、回遊動線を取り入れると、家事がぐっとラクになります。 -
広さの確保
「どれくらいの広さが必要?」という問いには、
家族の人数やライフスタイルによって答えが変わります。
目安としては、椅子を引いたときに後ろをスムーズに通れるように、
テーブルの周りに最低でも80cm以上のスペースを確保すると快適です。 -
明るさの工夫
自然光を取り入れると、ダイニングの雰囲気はぐっと良くなります。
朝の光が差し込む東向き、夕食の時間に温かみが出る西向きなど、
家族のライフスタイルに合わせた採光計画を考えます。
夜はペンダントライトや間接照明を組み合わせることで、落ち着いた空間を演出できます。 -
収納の工夫
食器やカトラリー、ランチョンマットなど、ダイニングには意外と収納が必要です。
造作収納や壁面収納をうまく活用すると、ダイニングがすっきりと保てます。
「よく使うものを、すぐ手が届く場所に」
それだけで、暮らしがスムーズになります。
キッチンとダイニング
KITCHEN
and DINING
料理をつくる人と食べる人が、「分断されず、自然につながる」ことが、
心地よいダイニングの大きなポイントです。
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オープンキッチンで、
会話が生まれるキッチンとダイニングがつながっていると、食事の準備をしながら家族と会話ができます。
たとえば、子どもが宿題をしている横で、親が料理をしたり、パートナーが仕事の合間にコーヒーを淹れたり。
そんな「ちょっとした会話が生まれる距離感」が、家の居心地を決めます。 -
対面キッチンで、
家族とつながる対面キッチンなら、料理をしながら家族と顔を合わせられる。
カウンターを設ければ、ちょっとした朝食やお茶の時間にぴったり。
料理を手伝ったり、お皿を運んだりしやすいので、家事の負担をみんなでシェアしやすくなるのもメリットです。 -
「ダイニングテーブルを
キッチンの延長」にするたとえば、キッチンカウンターとダイニングテーブルを一体化させると、
配膳や片付けの動線がスムーズになります。
また、テーブルを壁付けにすることで、スペースを広く使える工夫も。
ダイニング学習のススメ
KITCHEN
and DINING
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「親の見守り」が、
子どもの安心を生む教育評論家の親野智可等(おやのちから)氏は、
「子どもは親の気配を感じながら学ぶことで、安心して勉強に取り組める」と述べています。
子ども部屋では、気が散る要素が多く、一人だと集中しづらいことも。
ダイニングなら、親の目が届く環境で安心感を持ちながら学習できます。
また、わからないことがあればすぐに質問できるのもメリット。 -
「適度な雑音」が集中力を高める
脳科学の観点からも、「ダイニング学習」は効果的だと言われています。
東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授は、「完全な静寂よりも、適度な生活音の中のほうが集中力が高まる」と指摘しています。
カフェで仕事や勉強がはかどるように、適度な生活音があるダイニングは、脳が活性化しやすい環境なのです。 -
姿勢が整いやすく、
長時間の学習に適しているリビングのソファやベッドでの学習は、姿勢が崩れやすくなります。
一方で、ダイニングの椅子とテーブルは適度な高さがあり、「正しい姿勢で集中できる」という点でも理想的です。
また、照明が明るく、手元が見やすいのもポイント。
目の負担を軽減しながら、快適に学習できる環境が整っています。 -
家族のコミュニケーションを大切に
ダイニング学習の大きなメリットは、親子の対話が自然に生まれること。
「今日はどんな勉強をしたの?」
「ここ、ちょっと教えて」
そんなやりとりが、学びを深めるきっかけになります。
また、子どもが机に向かっているときに、親がそばで本を読んだり、ちょっとした仕事をするのも効果的。
「勉強=特別なこと」ではなく、日常の中で自然に学ぶ環境が作れます。