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高齢者住宅・障がい者住宅
2022.03.03

サ高住入居者にケア制限 厚労省が「囲い込み」防止策 良い面も悪い面も存在/「家借りにくい」高齢者支援 転居後の生活も 社会福祉法人やすらぎ会

サ高住入居者にケア制限 厚労省が「囲い込み」防止策 良い面も悪い面も存在

 

※出典:高齢者住宅新聞・高齢者施設の利用者数

 

 2021年9月22日に厚労省から都道府県、指定都市などに出された事務連絡で、入居者のケアプランの点検を求めた。「囲い込み」の削減策だ。

 厚労省は3月の自治体向けの通達で「介護保険サービス事業者が併設等する高齢者向け住まい等において、家賃を不当に下げて入居者を集め、その収入不足分を賄うため、入居者のニーズを超えた過剰な介護保険サービスを提供している場合がある」と、「囲い込み」について説明する。
 9月の事務連絡では、ケアプラン事業所が扱う一般のケアプランついて初めて数値基準を設定し、それ以上の事業所は、自治体が設けた地域ケア会議やサービス担当者会議などの場で説明しなければならない、とした。
 その数値は、在宅サービの区分支給限度額の70%以上で、かつ訪問介護の比率が60%以上。加えて、サ高住と住宅型有料老人ホームの入居者のケアプランは、この70%と60%の数値を各市町村が独自に自由に決めていいとした。

 新制度では、ケアマネジャーが本人と相談し、サービス担当者会議の了承を得たケアプランの見直しを迫られてしまう。専門職として業務を否定されるようなものだ。厚労省は「地域ケア会議などで説明し、参加した多職種が納得すれば見直さなくてもいい。利用者本人が了解しなければ変更できない」と言う。

 だが、ケアプラン事業所は地域ケア会議に呼び出されるのは面倒なので、自主的に数値抑制に向かう可能性が高い。そもそも、70%の線引きは、利用者の介護サービス受給権の制約になる。支給限度額いっぱいまで自由にサービスを選べるのが介護保険の大原則であるはずだ。

 入居者に必要なサービス以上に不当に介護保険サービスを提供するのにメスが入ったことは良いのだが、果たして本当にサービスが必要な中重度の高齢者にとっては介護保険サービスの保険の制限を受けるようなものなので、制度自体の見直しは必要だ。

「家借りにくい」高齢者支援 転居後の生活も 社会福祉法人やすらぎ会


※出典:高齢者住宅新聞・転居希望者との相談の様子

 

 特養やグループホームなどを運営する社会福祉法人やすらぎ会(奈良県天理市)は、不動産業者と連携し住宅確保要配慮者(高齢者、障害者など)の住まい探しを無料で支援。成約に至るまでの調整から、転居後の生活サポートも行う。

 この取り組みは、厚労省の「低所得高齢者等住まい・生活支援モデル事業」として2014年から3年間実施し、現在も国交省が進める「居住支援法人」として、支援を続けている。

 事業の背景として、自宅の老朽化などで転居を希望する住宅確保要配慮者に対し、家賃滞納や孤独死の懸念などから、不動産業者が入居制限をする実態がある。
 その同法人では、そのミスマッチを解消すべく、相談者から生活状況や保証人、金銭面などを詳細にヒアリングし、アセスメントを行う。情報を不動産業者に共有し、内見や契約時にも立ち会い、入居後も生活支援をすることで、不動産業者の不安を解消していく。

 なお、事業にあたっては、委託元の天理市より14年から3ヵ年で計1174万円の補助を受けた。現在は国交省の「共生社会実現に向けた住宅セーフティネット機能強化・推進事業」での補助を受けている。
「社会福祉法人としての機能を活かし、地域資源とつなげながら取り組んでいきたい」と吉田氏は話した。

 このように介護法人が不動産業者と連携して生活困難者の住まいを探すことは社会貢献性が強く、全国的にも様々な形で普及されていくことが望ましい。

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